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農業従事者の減少問題をテクノロジーでカバー! - IIJが進めるスマート農業の取り組みとは?

マイナビニュース / 2024年9月25日 11時0分

IIJのデータセンター(白井キャンパス)が置かれている千葉県白井市だが、梨の生産量日本一の千葉県の中でも梨の名産地として知られ、北に印旛沼を抱え、稲作も盛んな地域だ。しかし高齢化や離農といった問題も抱えている。

IIJとしては、東京の本社から近い地域で、実際に圃場で稲作を行い、課題や苦労を経験できる場所を求めていたが、白井市はこの条件に合致している。また市側も問題解決に向けて、スマート農業促進を目指しており、両者の思惑が合致したことで、市と協力してスマート農業の実証実験を実施している。

水田でのメタン抑制により得られたカーボンクレジット(温暖化ガスの排出量を売買する仕組み)は白井市のデータセンターでのCO2排出権にも活用し、カーボンクレジットの地産地消を目指していく。また、将来的には梨の路地栽培などにもスマート農業の取り組みを進めていきたいとのことだ。
○5.神奈川県箱根町

箱根町の芦ノ湖では、IIJとNTT東日本、芦ノ湖漁業協同組合、フルノシステムズが共同で、無線通信を活用したデジタル監視・管理の実証実験が行われている。芦ノ湖は釣りの名所としても有名だが、広い芦ノ湖で釣り人の監視や、水温の情報などを、低消費電力通信技術(LPWA)を使って行うことになった。

LPWA技術としては、LoRaWANに加えて「Wi-Fi HaLow」が使われる。Wi-Fi HaLowは「IEEE802.11ah」として規格化されたWi-Fiに属する技術で、920MHz帯を使う。通信距離はおよそ1km程度だが、100kbps~1Mbps程度と、映像も送信可能な通信速度が特徴(LoRaWANは最大でも数十kbps程度)。1時間に電波を飛ばしていいのが6分までという制限があるが、フレームレートやビットレートを大幅に落とすことで運用できる。

芦ノ湖では釣り人を監視するカメラにWi-Fi HaLowを、水温センサーにLoRaWANを使うというように、複数のLPWAが混在するネットワークでの運用となっている。また、基地局の電力は太陽光発電パネルを使って供給するため、日差しが十分取れる場所を確保するなど、運用面での知見も得られているようだ。
○「農業」に留まらない「スマート農村」へ

今回の事例を見てもわかるように、スマート「農業」といいつつ、適用される分野は幅広い。高齢化や人材不足、環境変動による変化といった問題は、農業だけでなく漁業や畜産、林業など、いわゆる第一次産業全体に共通する問題だ。またスマートIoTのバックボーンとなるLPWAも、携帯網がカバーできない僻地や山間部などを情報化するのに役立つ。農村丸ごとの情報化による「スマート農村」化は、地域活性化にもつながるわけだ。

折しも今夏は米不足が問題になっていたが、食料自給率の維持は国の根幹を支える重要な問題。その解決のためにも、スマート農業事業の普及と成功を祈るばかりだ。
(海老原昭)



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