1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

京大、スマートフォンなどを用いて不眠を改善するプログラムの有効性を実証

マイナビニュース / 2024年9月25日 19時49分

画像提供:マイナビニュース

京都大学(京大)は9月24日、夜型生活者の不眠を対象として、スマートフォンアプリを用いた時間生物学的な睡眠行動療法(デジタルBBTI)と、LEDライトグラスを用いた光療法(LT)を併用する介入プログラム「デジタルBBTI with LT」を開発し、夜型生活者の不眠に対する有効性を検証した結果、不眠重症度質問票の変化の違いは統計学的に有意であり、同プログラムの有効性が示されたと発表した。

同成果は、京大 学生総合支援機構の降籏隆二准教授、同・大学大学院 医学研究科の石見拓教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、欧州睡眠研究協会が刊行する睡眠に関する全般を扱う学術誌「Journal of Sleep Research」に掲載された。

睡眠の問題は若年成人において重要な健康課題の1つとなっている。個人の最適な就寝時刻・起床時刻はクロノタイプと呼ぶが、思春期にはクロノタイプの夜型化が急速に進むことが知られている。夜型が強い場合は、個人のクロノタイプと、学校の登下校の時刻、会社の出勤・退勤時刻などの社会的時刻との乖離が大きくなるため、入眠困難、起床困難、日中の過剰な眠気、不安、抑うつなどを引き起こす原因となる可能性があり、その結果、学業や就業に支障をきたしたり、精神的な不調を引き起こしたりする原因となることもある。

対応方法の1つとして、対面で行う時間生物学的な睡眠行動療法と光療法の併用の有効性が示されている。光療法については、近年、利便性の高いLEDライトグラスが開発されているが、時間生物学的な睡眠行動療法は専門家が不足しており、提供機会が限られているという。そこで研究チームは今回、スマートフォンアプリと起床後にライトグラスを併用する介入プログラムを開発することにし、夜型生活者で不眠を持つ大学生を対象として、介入プログラムの有効性を検証することにしたという。

今回の研究では、まず、時間生物学的な睡眠行動療法を簡便に提供するためのスマートフォンアプリとして「SleepHealthy-Eveningtype」が開発され、同アプリに加えて起床後にライトグラスを併用する介入プログラム「デジタル BBTI with LT」が開発された。

同介入プログラムの有効性の検証では、「朝型-夜型質問紙」を用いた結果が「明らかな夜型」もしくは「ほぼ夜型」に該当し、不眠重症度質問票が8点以上の不眠がある大学生28名(介入群[n=14]と対照群[n=14])を対象として、介入効果を公平に比較することができる「並行群間無作為化対照試験」が行われた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください