1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

2度目のIPO挑戦となるキオクシア、今回こそIPOを実現するか注目

マイナビニュース / 2024年9月28日 7時0分

前回は2020年3月期決算で上場申請を行い、時価総額2兆円超でのIPOが見込まれていました。よって今回は2度目のIPO挑戦となりますが、当初10月予定とされていたIPOが11月以降となり、今回も一筋縄ではいかない可能性が生じています。
前回と今回の上場申請決算期の比較

前回の上場申請期となった2020年3月期と、今回の2024年3月期の決算を比較してみましょう。

両者ともに公開申請決算期が赤字です。ただし、前回に比べ今回は赤字幅が拡大(当期純利益▲1,667億円→▲2,437億円)しています。更に今回は2期連続の赤字です、

利益的には2018年3月期の旧東芝メモリ時代の営業利益4,567億円がピークであり、2022年3月期の黒字額も2018年3月期に比べると1/2以下の水準です。AI半導体で業績が絶好調のNvidiaやTSMCに比べると、同じ半導体銘柄でも取り扱い製品が異なるとはいえ、キオクシアの業績は物足りなさを感じるのではないでしょうか。
時価総額を下げてIPOに臨むことに

前回の上場申請時に同社は、時価総額2兆円超でのIPOを予定していました。しかし今回は時価総額1.5兆円超と報じられています。2期連続赤字という決算状況、そして前回の上場申請時よりも上場決算期の赤字が拡大していることから、時価総額を下げてのIPOは妥当と考えられます。

前回、IPO直前まで準備が進みながらIPOを見送った理由は公表されていません。しかし、4年後に時価総額を下げてIPOを行うなら、時価総額2兆円超でIPOを行えばよかった、と言えなくもありません。

キオクシアは世界的なメモリーメーカーではあるものの、赤字継続により株価の評価は難しい面があります。ただし一旦上場直前まで行った後、4年後に時価総額を下げてIPOに再挑戦するということは、IPOに向けて背水の陣を引いているとも考えられます。

なお、2020年当時、時価総額2兆円超の同社のIPOについて、株価が高過ぎるという意見もありました。その後の業績推移を見ると、IPOが実現した場合でもIPO後の株価は苦戦が予想され、無理にIPOせずに正解、と考えることもできます。
IPO再挑戦は成功するのか?

東京証券取引所から上場承認を得ながらも、直前に上場を見送る企業は時折発生します。その中の少なくない企業は最終的にIPOを実現しますが、IPOには至らない企業もあります。

キオクシアは前回のIPO挑戦から4年を経て時価総額を下げてIPOに臨む予定であり、株価よりIPO優先のスタンスです。2度目の挑戦でキオクシアはIPOを果たすことができるのか、11月以降に延期された同社IPOの行方が注目されます。

石井僚一 いしいりょういち 金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社の勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式市場や為替市場に関連する記事の執筆を得意としている。資産運用記事やインタビュー記事も執筆中。第一種証券外務員資格保有。 X(旧Twitter):@writerIshii note:https://note.com/richiwrite/n/n1f6457703168 この著者の記事一覧はこちら
(石井僚一)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください