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どこでもサイエンス 第293回 10月はノーベル賞も紫金山アトラス彗星も気になる~

マイナビニュース / 2024年10月2日 7時17分

さて、私の周囲、天文・宇宙業界なのですが、紫金山(ツチンシャン)・アトラス彗星の話題でもちきりです。この彗星は2023年に発見されたのですが、かなり遠方ですでにそれなりに見えていたので、非常に明るくなり「都会でも雄大な尾を引いた姿が見られる」<かも>←ゴシップ的アオリ。というので話題になったものです。

彗星は、その名前のとおり、「ほうき」のような姿をすることもある天体です。彗星の英語表記「Comet(コメット)」は、COMA(髪の毛)のようなもので、やはり同じような姿を表現しています。まあ、写真のような感じですね(ちなみにフリー素材です)。

ただ、ほとんどの彗星はこんな風にならず、写真でいえば“頭”にあたる部分のみの、ボヤーっとした姿をしている天体です。

このボヤーっとした中心には氷と砂がぐちゃぐちゃっとかたまった直径数百メートル~10km程度の雪玉があり、太陽に接近すると、蒸発してチリとガスをまき散らし、それが太陽光の圧力によって吹き流されてこんな姿になるのでございます。

チリやガスの量が少ないと、“尾”といわれるながく伸びた様子は見られません。

また、毎年たくさんの彗星が発見されているのですが、ほとんどは肉眼で見られるほど明るくなりません。小さくともまわりにまとうチリとガスが広がるので、そこそこ太陽の光を反射するんですけどね。

ところが、2023年1月に発見された、この紫金山・アトラス彗星は、かなり遠方でも明るく、太陽接近時(9月27日)の距離も太陽に近く(つまりそれだけ蒸発量が大きい)。太陽から離れはじめる10月9日くらいから夕方の低空で空で明るく輝いている金星なみの明るさになると予報されました。それに先立つ、10月5日から“尾”が地平線からたちあがって見え、10月中旬にかけて観測のチャンスだといわれました。

が、その楽観的な予想ほどには明るくはなっていないのですが、それでも9月末に条件のよい南半球からの写真を見ると、そこそこには「育っており」、彗星の明るくなる物理的な性質から、

10月初旬は日中でも見れる<かも>←ゴシップ的アオリ。

とか

10月の中旬は。都会でも夕空に“頭”は双眼鏡で確認できそうですが、空が暗いところでは、雄大な尾が見える<かも>←ゴシップ的アオリ。というところです。

天文シミュレーションソフトステラナビゲーター11で、で毎日の日の入り30分後の様子(予想)を示します。どうなるかなー。いや、本当に楽しみですね。

東明六郎 しののめろくろう 科学系キュレーター。 あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。 この著者の記事一覧はこちら
(東明六郎)



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