1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

東京都、性別年齢を問わない「卵子凍結セミナー」初開催 - 300名超が参加

マイナビニュース / 2024年10月4日 18時3分

その中で同氏は、「ピルなどで排卵が抑制されていると卵子が温存できるという考え方がありますが、残念ながら時間経過とともに失われていくものの方が圧倒的に多いのです」との補足した。

卵子凍結のデメリットとして1つ目に挙げられたのは「身体的負担」である。同氏によれば、排卵誘発剤の投与によって、腹部の張りや吐き気、体重増加、尿量の減少といった卵巣過剰刺激症候群のリスクが上がるという。また、採卵時は長さ約35cmの針の先を卵巣に向けて刺すため、身体的な負担がかかってくるのは言うまでもない。

2つ目には、「経済的負担」が挙げられた。セミナーで紹介された参考費用(片桐氏調べ)では、採卵までの費用に約40万円、卵子の凍結保管料が約15万円(1個1万円×15個の場合)、合計約60万円が必要になってくる。また忘れてはいけないのが、卵子を使うまで保管しておくための保管更新料である。5年間で約25万円と仮定すると、採卵費用とあわせて合計80万円を超える費用がかかることも。

3つ目は「卵子凍結が将来の妊娠を保証するものではない」ということだ。1個の未受精凍結卵子あたりの出産率は約4.5%~12%と報告されており、1人の子ども出産するためには10~15個ぐらいの卵子が必要と言われている(※)。つまり"卵子凍結=出産"と簡単に考えることはできないのだ。

最後のデメリットは「高年齢妊娠・出産のリスク増加」である。片桐氏は、「出産は母子が元気で当たり前というのは大間違い」と言い、次のように説明した。

「例えば、血圧が高くなって早産の原因になったりすることも多い妊娠高血圧症候群になってしまう確率は、20歳代の妊婦さんでは9~10%ですが、30歳代後半では20%、40歳以上の妊婦さんでは45%を超えます。また、脳卒中や心筋梗塞など循環器に関わるリスクも、30歳代後半では2倍、40歳以上では3倍になります」

これらのメリット・デメリットを紹介した上で片桐氏は、「卵子凍結というテクノロジーが自分にとって本当に必要かどうか、"今の自分"に必要かどうかということを一人ひとりがよく考え、選択・決定することを支援したいと思います」と、参加者に伝えた。
卵子凍結のギモン

セミナーでは、参加者から事前に寄せられた質問に片桐氏が回答。その中でも興味深かったものを紹介していこう。

Q. 卵子凍結するかどうかを確認する指標や検査には、どんなものがありますか?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください