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孫正義氏、“小規模”なLLM開発に苦言「小さな成功に過ぎない」

マイナビニュース / 2024年10月4日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は10月3日、同社の法人向けイベント「SoftBank World 2024」の特別講演で登壇し、「人間のような汎用的な知能を持つAGI(汎用人工知能)は今後2~3年で実現し、その1万倍の知能を持つ『超知性』は10年以内に訪れるだろう。知能のゴールドラッシュが来た」と強調した。

AIが「速さ」から「深さ」の時代に突入

米OpenAIは10月2日(現地時間)、66億ドル(約9600億円)の資金を調達したと発表。米報道などによれば、米Microsoftや米NVIDIA、SBGなどが投資した。Microsoftは10億ドル、NVIDIAは1億ドル、SBGが5億ドルを投資したもよう。SBGによるOpenAIへの投資は今回が初だ。

孫氏は講演時間の多くを割いて説明したのが、OpenAIが9月に公開した新たなAIモデル「OpenAI o1(オーワン)」だ。孫氏は「o1はノーベル賞ものだ。o1の出現により、AIは『速さ』から『深さ』を追求する時代に突入した」と絶賛。

OpenAIがこれまで開発してきたChatGPTなどの「GPT」はプリトレーニング、つまり事前学習して理解する「知識」を軸にしていたモデルだ。一方のo1は、人間のように応答する前により多くの時間をかけて思考するように設計されたモデルだ。つまり、「思考」を軸にしている。

OpenAIによると、博士号レベルの物理・科学・生物に関する難解問題の正答率は、「GPT-4o」の56%に対して、o1は78%を達成した。専門家の70%よりも高い数値だ。数学やコーディングの問題にも強く、国際数学オリンピック(IMO)の予選試験では、GPT-4oの正答率13%に対し、o1は83%を達成した。

孫氏は「今朝、o1に『1000万円を1億円に増やしてほしい。その方法とメカニズムも具体的に示して』とお願いしてみた。すると、回答に75秒もかかった」と体験談を話した。「考えているプロセスを実感できた。この75秒の間に莫大な処理をしていると考えると、待っていること自体が楽しくなる。重要なのは回答の速さではなく深さだ」(孫氏)

GPTが「理解すること」が得意なら、o1は「考えること」が得意だ。今後、いくつものAIが「思考」するようになれば、現状では難しい「AIによる発明」が実現されるかもしれない。孫氏は「人間がアイデアを出し、AIがそのアイデアを深く考え何かの発明につなげる。皆が使い始めれば差別化は難しいだろう。まさに知能のゴールドラッシュが来ている」と力説した。

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