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『占拠』シリーズから『潜入兄妹』へ…尾上Pが語る“王道エンタメ”を作り続ける理由

マイナビニュース / 2024年10月5日 6時0分

確かに、ネットやスマホが普及した今、報道を見ていると、こういった詐欺という犯罪の片棒をかつぐことが、まるで手軽なアルバイト感覚になってしまったイメージもある。そもそも犯罪に手を染めてしまえば、時には一生が終わってしまうかもしれない。それだけ重大なことだが、「まだ分別がつかない若年層が関わりやすくなっているという危機感を持った」という。

そこで、特殊詐欺集団はどのような組織を作り、どういう人数構成なのか、警察監修や専門家を取材し、「スマホ一つあれば手軽に成立してしまう世界。それだけではドラマにはならないので、登場人物たちの動きを作り、現金の受け渡しにしてもどのように見せるか……リアリティと空想・エンタメの世界をどう融合するかを脚本家・演出家とすり合わせていきました」と、物語づくりの工夫を解説する。

○男くさい世界とスタイリッシュな兄妹の化学反応

こうした犯罪系の「潜入もの」は本来、男性目線で楽しめる世界観だ。そこで尾上Pは、この男くさい世界に、スタイリッシュな兄妹が入ったらどのような化学反応を得られるかと考え、竜星涼と八木莉可子を投入した。

「犯罪組織に潜入するというある意味、社会の闇やドロドロした部分の多い作品になるので、主人公たちには清潔感とさわやかさ、スタイリッシュな俳優さんがいいなと思い、オファーさせていただきました。おふたりともその演技が評価されていて、エンタテインメント全開の世界に説得力を持たせられる力をお持ちですので、作品を成立させるためのピッタリな配役だと自負しております」

激しいアクションに、見つかったら即ジ・エンドとなるため、叫び、泣き、震えるなど感情むき出しの演技が見られる。こうした世界観は先述の『占拠』シリーズから感じられ、外連味(けれんみ)やエンタメに振り切った作り方をしていると思ったことがある。そう尋ねると、尾上Pは「王道エンタメを一切、ブレることなく目指そうというのはありますね」と明かした。

「ドラマにはいろいろなジャンルがあり、例えば人間ドラマで感情がどう揺れ動くかで物語が進行していく作品が多数ありますが、我々の場合はまず面白い出来事をいっぱい起こそうと。最初から思いついたアイデアも出し惜しみせずどんどん入れていき、その後も足していけばいいという発想で作っています。ゆえに出来事ベースで物語を作り、その状況に追い込まれたときに人はどう動くか、どう考えるか、感情をつなげていく、肉付けしていくという作業をしています」

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