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キティちゃんに96歳のサンリオ創業者が込めた反戦の思い――取材Dが“迫力”を感じた「戦争だからしょうがない」への怒り

マイナビニュース / 2024年10月6日 6時0分

そんな辻氏の生き方を最も感じた場面は、カメラを回していない瞬間にあった。インタビュー取材のために借りた会場のオーナーに、「知り合いになろうよ」と自然に声をかける姿を目撃。「その日に初めて偶然出会った人にあの言葉が出ることがすごいですし、そうやってこれまで生きてこられたんだなと伝わってきました」と驚きを振り返る。

番組内では、辻氏が様々な人にプレゼントを渡す場面が登場。「普通なら大きな会社の創業者からプレゼントを渡して“仲良くしよう”と言ったら違和感がありそうですが、辻さんはそれを伝えることが当たり前で大切なことなんだというのを体現されていて、心に来るものがありました」と感銘を受けたそうだ。

●ウクライナ戦争も「しょうがないとかじゃないから」

誰に対しても優しく接する辻氏だが、79年前に経験した甲府空襲、そして戦争の話になるとその様子が変わるという。

「語気が強くなって、迫力が違うという表現が合っていると思います。そこから、反戦への思いの強さを改めて感じました。79年前に経験したことを軸に人生を歩んでこられたことが伝わってきて、ものすごい衝撃で強烈に覚えている出来事なんだと感じました」

その“迫力”を特に感じるのは、当時の大人たちが口にしていた「戦争だからしょうがない」という言葉への怒りだ。

「戦争のお話をされるたびに、必ずこの言葉が出てくるので、本当に許せなかったんだと思います。これまでも甲府空襲の取材をしてきましたが、当時は若い男性が徴兵などでほとんどおらず、小さな女の子だった方の“とにかく怖かった”という証言をよく聞いていたんです。なので、青年男性の目線での“戦争だからしょうがない”という言葉への怒りは、強く印象に残りました」

世界を見渡すと、ウクライナでの戦争に終わりが見えないどころか、ガザやレバノンなどでも紛争が相次いでいる。そんな中で、この番組を放送する意義は何か。

「やっぱり“戦争だからしょうがない”がキーワードだと思います。辻さんに、“ウクライナ戦争についてどう思いますか?”と聞いたら、“しょうがないとかじゃないから”と強い言葉で否定されたんです。ロシアから一方的に攻められて、守るために戦うのは仕方ないと思っていた部分がありましたが、そこで諦めてはいけないんだとハッとさせられました」

○ナレーションは柏木由紀「答え合わせになったよう」

戦争を扱うドキュメンタリーは、どうしても重い内容になりがちだ。ただ今回の番組は、ハローキティというキャラクターによって入り口をポップにすることで、辻氏が目指す“若い世代に伝えたい”という思いを共有している。

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