家電メーカーを超えた新しい領域へ、LGが目指す未来のビジョン - LG韓国本社探訪記
マイナビニュース / 2024年10月7日 10時30分
LGは今回、家電事業が今後も“屋台骨”たる大事な事業であるとしたうえで、AI技術を中心とした「スマート・ライフ・ソリューション・カンパニー」へ転換するという、新しい未来の姿を改めて示しました。
この方針は2023年7月にアナウンスしていたもので、“快適な生活を提供するための幅広いビジネス”、具体的にはコアとなるAI技術や、webOSサービスなどプラットフォームベースのサービス事業、HVAC(空調事業)や工場のスマート化支援などBtoB事業への注力、モビリティやデジタルヘルスケアなど新規事業への重点的な取り組みが示されました。
このため2030年までに50兆韓国ウォン(約5兆5,400億円)以上を投資し、LGエレクトロニクス全体で2022年に65兆ウォン(約7兆2,100億円)だった売上高を、2030年に100兆ウォン(約11兆円)へ引き上げることを目指すといいます。
コンシューマー向けの家電事業もいまだ高い売上を保持していながら、事業を主にBtoB向けへ転換する理由は、ユーザーの生活や業界の変化に合わせ「顧客の体験」や「事業の質的成長」を重視するためとのこと。例えばAIを組み込んだ家電の拡充により新たなビジネスモデルを提供するなどして、より高いレベルへ事業を引き上げるといいます。
○対企業のビジネスを成長領域に
例えば注力事業の一つである空調では、LGは小規模住宅向けから大規模商業施設向けまで幅広いソリューションを、自社工場による製造で提供しています。空調事業は各地域の状況に沿ったカスタマイズが必要となる市場ですが、その反面グローバル全体を大手メーカーが寡占する状態はないため、食い込む余地があるといいます。
LGでは研究開発を進めたり、競争力のある価格帯のモデルを導入したりして競合と戦っていくとともに、同社のコア技術を活用した効率的なソリューションを提供したいとしています。また、空調関連の技術者を育成するための教育機関を各地域に設立するといった人材投資も行う考えです。
法人向けビジネスでは、製造業の企業に向けた、工場のスマート化を支援する技術やサービスの提供を今後の成長領域に位置づけています。このスマートファクトリー事業を検討し始めたのは2024年に入ってからだといい、事業化してのち約6カ月で、すでに契約額は1兆9,000億ウォン(約2,100億円)を超え、2024年末にはさらに増加する見込みだといいます。
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