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水星探査機「ベピコロンボ」、3回目の水星スイングバイ時の水星観測の結果を発表

マイナビニュース / 2024年10月7日 14時2分

画像提供:マイナビニュース

欧州宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月4日、両機関が共同で実施中の水星探査機「ベピコロンボ」(ESAの水星表面探査機「MPO」とJAXAの水星磁気圏探査機「みお」の2機がドッキングした状態)が2023年6月19日に実施した3回目の水星スイングバイの際の観測データを詳細に解析し、水星磁気圏内の多地点における、惑星起源イオンの多彩な様相が明らかになったことを発表した。

同成果は、仏・パリ天文台やソルボンヌ大学などに所属するリナ・Z・ハディッド氏を論文筆頭著者とし、京都大学の原田裕己助教、JAXA 宇宙科学研究所(ISAS)の相澤紗絵博士(現・仏国立科学研究センター所属)ら25名の研究者が参加した国際共同研究チームによるもの。詳細は、英科学誌「Nature」系の物理学を扱う学術誌「Communications Physics」に掲載された。

水星が持つ磁場の強さは地球の約100分の1しかないが、それでも太陽風(太陽から吹き出すプラズマ粒子の流れ)に対するバリアである「磁気圏」を作り出していることが知られている。太陽~水星間は太陽~地球の4割弱ほどと太陽に近い軌道を回っているため、太陽風と水星磁気圏、さらには水星表面との相互作用は地球よりもはるかに強いことがわかっている。

ベピコロンボは日欧共同の国際水星探査ミッションであり、2018年10月にフランス領ギアナより打ち上げられ、エンジン不調のために到着が1年間延期されたが、2026年11月の水星周回軌道投入へ向けて現在惑星間空間を2機が合体した状態で航行中(軌道投入時に分離される)。内惑星へ向かうためには、地球脱出時の秒速約11kmという高い速度を減速したり軌道を変更したりする必要があり、惑星を用いた減速スイングバイが行われている。具体的には地球で1回、金星で2回、水星で6回と、計9回のスイングバイが行われる(次回は2024年12月2日に実施予定の水星での5回目のスイングバイ)。スイングバイの際に科学観測は必ずしも行われるものではないが、ベピコロンボの場合、スイングバイ軌道は水星到着後の周回軌道とは異なるため、到着後には通ることのできない領域を観測できる点などが考慮され、水星到着時までは2機がドッキングした状態である上に、みおに至っては太陽光シールドで覆われているので視野が限られた状態だが、それでも3回目において搭載装置による科学観測が実施された。

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