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パナソニックHDとFastLabel、AI開発のアノテーション効率化に向け協業

マイナビニュース / 2024年10月8日 17時23分

画像提供:マイナビニュース

パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)とFastLabelは9月27日、パナソニックHDがグループ全体におけるAI開発効率向上を目的に開発を進めるマルチモーダル基盤モデル「HIPIE(ヒピエ)」を、FastLabelの「Data-centric AIプラットフォーム」と統合し、自動アノテーションモデルとして構築するための協業を開始することを発表した。

これに際し両社はメディア向け発表会を開催。デモンストレーションなどを通じて、協業で目指すものやパナソニックHDとしてのAI開発戦略について説明した。

○AI開発コストの約90%はアノテーションに集中

パナソニックグループは、“地球環境問題の解決”と“一人ひとりの生涯の健康・安全・快適”の実現を目指し、環境とくらしへと貢献する技術の開発に注力している。その中ではAIの活用も当然必要になるといい、パナソニックHDとしては、グループ全体として活用でき、リアル空間への適用が可能なAIの開発を進めている最中だという。

同社のAI開発戦略における2つの柱として、パナソニックHD 技術部門 テクノロジー本部 デジタル・AI技術センター 所長(発表当時)の九津見洋氏は、“Scalable”と“Responsible”を挙げる。前者については、家電や車載領域、電子部品、エネルギー領域など幅広い事業を展開するパナソニックグループにとって、各事業の現場ごとにデータ構築やチューニングを行う手間は大きな課題であるため、スケーラブルなモデルの開発を目指すとする。またリアルな空間を対象とした場面でも多くAIが求められることから、高い品質や信頼性の実現も重要だとしている。

FastLabel 代表取締役CEOの鈴木健史氏によると、今後5年から10年ほどで社会全体がAIへと依存しインフラの1つへと役割が増大すると予測される中、そのAI開発の現場では、かつてのアルゴリズム開発が重要視された時代から、その学習材料となる教師データが重視される“データセントリックなAI開発”へのシフトが進んでいるという。すでに開発が進むAIアルゴリズムについては既存の選択肢から適したものを選ぶようになる一方、AI開発における約90%もの工数が教師データ作成(アノテーション)に費やされているとのこと。その作業においては、現場の専門知識を持つ人材が自社の保有するデータを教師データへと変換する必要があるものの、知見を有する技術者単独ではアノテーションを行える環境が無い一方、AIエンジニアの不足により業務過多に陥るなど、アノテーション作業におけるイノベーションが進んでいない点が課題だとする。

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