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バイプレイヤーの泉 第142回 令和の人気子役、倉田瑛茉ちゃんらに求められる”ナチュラル化”

マイナビニュース / 2024年10月16日 6時0分

画像提供:マイナビニュース

コラムニストの小林久乃が、ドラマや映画などで活躍する俳優たちについて考えていく、連載企画『バイプレイヤーの泉』。

第142回は、子役のナチュラル化について考えてみた。

数年前、とある女優さんの取材でライターとして参加することになり、撮影スタジオの控室に行った。編集担当、カメラマン、ライター(私)の3人で待っていると、収録を終えた演者さんたちが続々とスタジオから出てきた。

「おつかれさまです!」
「番組の取材、ありがとうございます!」

私たちに向かって元気よく挨拶をしてきたのは、目線の下にいたとびきりスマイルの子役2人だった。

「あ、あ……お疲れさまです……」

突然のご挨拶に面食らった大人3人は、ワタワタしながら返事。彼らが通り過ぎた後、3人でこんな雑談をした。

「最近の子役って、あんなプロ意識高かったっけ?」

「所属事務所がそう教え込んでいるんじゃないの。子役といっても、役を掴むために戦々恐々の時代だし」

「挨拶くらいできなくちゃなんでしょうね」

確かに昔は子役にこそ、大人以上の役者魂が求められていたように思う。今は犬猫に囲まれて破顔おじさんの坂上忍も、ほぼ3歳で子役として働き始めていた。そして完璧な演技で「天才!」と呼ばれていたらしい。でも令和の現在に視聴者が子役に願うものは、そういった万全のプロ意識、大人と同等の演技力というものではなく、また別のフィールドある。
○学業よりもお仕事優先のプロ子役

この20~30年間の子役変遷を振り返ってみよう。代表的存在として挙げられるのが、安達祐実。2歳でデビュー後、今も女優として活躍しながら、エイジレス女性として知られている。齢43歳にして、20代にしか見えない秘けつ、教えてほしい。

彼女こそ、学業よりも仕事優先のザ・子役。カレールーのCM「具が大きい」というセリフで脚光を浴びて、映画主演へ。何よりも「同情するなら金をくれ!」のセリフで一世風靡をした『家なき子』(日本テレビ系 1994年)のインパクトは大きかった。当時のことを安達はインタビュー(THE CHANGE 2023年)で、こう話している。

「外に出るとすぐに声をかけていただいて。それはすごくうれしいことのはずなのに、なかなか自由に歩けない、みたいなことがあったり」

脚本に書かれたセリフを一字一句残さず記憶して、役に憑依。時間があれば演技レッスンを受けて、大人以上に働く。昭和の子役の残り香を背負っていたのが、安達祐実だった。そして小さな女の子たちは彼女のようになりたいと、羨望の眼差しで彼女を見つめる。

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