マツダ「CX-80」に試乗! 700万円超の最上級モデルは“買い”か?
マイナビニュース / 2024年10月10日 11時30分
まさかのフロントミッドシップ!
エンジンカバーを持ち上げて(左右のクリップを外すだけで簡単)姿を現した4気筒エンジンの取り付け位置には驚いた。フロントアクスル(前の車軸)の後方に搭載されているので、ボンネット前端のラジエーターとの間に30~40cmはあろうかという空間がぽっかりと空いているのだ。いわゆる「フロントミッドシップ」というエンジンの置き方で、基本的には走行性能にこだわるスポーツカーなどがよく用いる手法である。こんなところからも、走りにこだわるマツダのエンジニアの心意気が伝わってくる。
エクステリアはCX-60に準じたデザイン。垂直に切り立った大きなフロントグリル、FRベースでボディ後方寄りにしつらえたキャビン、深くえぐられたボディサイドの造形などが特徴的だ。ロングボディ化による間延び感はなく、堂々たる気品があり、さすがはマツダデザインと言いたくなる。
インテリアの作り込みもすばらしい。タンカラーのナッパレザー/レガーヌのシートは1~2列目の居心地が最高。3列目の広さもライバルを凌いでいる。黒をミックスした全体のコーディネーションは、価格が上の輸入車やレクサスあたりと比べても負けていない。国産モデルにあっては、一頭地を抜くプレミアムなデザインだと断言できる。
ここまで変わるとは…
ドライバーズシートに乗り込むと、ステアリングやペダルの位置がすぐにぴたりと決まる。ドライビングポジションにこだわるマツダらしい部分だ。さっそくPHEVモデルをスタートさせてみると、「EV」モード時は当然として、「ノーマル」モードでもなるべくモーターだけを使って静かに走ろうとするところが印象的。そして、気になる乗り心地はと言うと……フラッグシップモデルにふさわしい、滑らかな足に大変身しているではないか! すばらしい。乗る前は不安だっただけに、思わず「よかった」と安堵の声が出た。
大鳴門橋を渡って淡路島に入る高速区間でACC(マツダの呼び方だとマツダ・レーダー・クルーズ・コントロール。前車追従のいわゆる半自動運転)を作動させると、CX-80は静かで安楽なツアラーに早変わり。東浦ICで降りて県道71号や157号のワインディングに乗り入れ、走行モードを「スポーツ」にして走り出せば、「クオオオーン」という4気筒エンジンの快音が遠くでくぐもったように聞こえてきて、FRのスポーツカー的な走りが楽しめる。この時、5m近い全長のことはすっかり忘れている。わずかなロールを許しながらクリッピングポイントを狙っていけるのは、「ロードスター」にも採用されている「KPC」(キネマティック・ポスチャー・コントロール)構造のリアサスペンションが効果を発揮しているからだろう。
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