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電通大、植物をアクチュエータとして利用する新たなタイプのロボットを開発

マイナビニュース / 2024年10月11日 20時11分

画像提供:マイナビニュース

電気通信大学(電通大)は10月10日、植物の成長に伴う物理的な変位と力をロボットのアクチュエータとして活用し、移動や物体の操作が可能な「植物ロボット」を開発したと発表した。

同成果は、電通大大学院 情報理工学研究科 機械知能システム学専攻の村上和也大学院生、同・佐藤操生大学院生、同・久保田百喜大学院生、同・新竹純准教授らの研究チームによるもの。詳細は、多様な分野の基礎から応用までを扱う学際的な学術誌「Advanced Science」に掲載された。

ロボット分野においても、環境への影響を最小限に抑えることが重要とされており、そうした特性をロボットに与える1つのアプローチが、土に還る材料である生分解性材料を採用することだという。特に、自然環境での探査などにおいて事故や故障が発生して機体の回収が困難な状況となった場合、生分解性材料は環境負荷が少ないことからそれらのロボットに適しているといえる。そうした観点では、環境に優しいロボットは探査やモニタリング、輸送、救助といったタスクに適していると考えられるとする。

ただし、ロボットがそれらのタスクを実行するには、ロボットに移動や把持といった能力が必要となるため、機械的な出力を生み出すために必須のアクチュエータをどのように生分解性材料で構築するかがポイントとなる。そこで研究チームは今回、環境に優しいロボット用のアクチュエータとして、枯れれば土に帰る植物に着目することにしたという。

植物をアクチュエータとして利用するというのは、その成長によって物理的な変位が生み出されることから、それを利用するというものだという。また、植物は太陽光や土壌といった自然環境からエネルギーを取得し、そのエネルギーをアクチュエーションに必要な形で変換する能力に優れている。言い換えれば、植物は駆動源の機能を持つアクチュエータと見なすことができると研究チームでは説明するが、植物の動きに関する定量的な研究は限られており、これまで、変位、力、速度などのアクチュエーション特性に関する包括的な解析は行われていなかったという。そのため、植物に基づいたロボットを設計・製作するために必要な知見が不足しているという問題があったとする。

そこで今回の研究では、モデル植物としてカイワレダイコンが採用され、変位、力、および速度の観点から、実験を通してアクチュエーション特性の定量化が行われ、その結果に基づいて、地上を回転移動するロボットとグリッパーの2種類の機体が設計・製作された。

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