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MRAM活用で従来比電力効率10倍/起動時間1/10以下を実現するエッジAI半導体技術、NEDOなどが開発

マイナビニュース / 2024年10月15日 16時44分

こうした課題に対して、今回の実証チップでは、CPUの起動用とメインメモリ用を兼ねた内蔵メモリと、「重みメモリ」(ニューラルネットワークにおいて入力値の重要性、貢献度を数値化したものを格納するメモリ)に大容量MRAMを採用することで、演算回路とメモリが近くに配置される「ニアメモリ・コンピューティング構造」を実現。その結果、外付けFLASHメモリのバス帯域不足の解消や、CPU上のソフトウェアの起動で必要な多くのプロセスを削減でき、外付けデバイスの初期化時間の削減といった起動時間の短縮が可能になったほか、外付けメモリ容量の削減も実現。システムとしての小型化や低消費電力を可能としたという。

また、今回の実証チップでは、東北大のCIESが開発した低消費電力AIアクセラレータを搭載。TSMCのMRAM混載に対応する16nm FinFETプロセスの「Process Design Kit(PDK)」を用いて開発され、CPUコアにはArm Cortex-A53×2を採用したという。同チップでは、MRAMの採用により、待機電力や動作電力を削減したほか、不揮発化により重みメモリへのロード時間を削減でき、AI処理システム全体の高速起動の実現を可能としたとのことで、RTLでのシステム動作シミュレーションの検証からは、従来比で電力効率10倍以上、および起動時間10分の1以下の改善効果が確認されたという。

なお、今後、研究開発チームではさらに連携を進め、電力効率の詳細評価およびシステム検証を進めるとしているほか、今回の研究成果をいち早く実用化につなげるため、車載機器やサーベイランス機器への応用を計画しているとしている。
(波留久泉)



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