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窓辺の小石 第188回 ザ・ボーン・アイデンティティー

マイナビニュース / 2024年10月18日 12時0分

変化が起こるのは、1992年にPOSIXが「コマンドライン・インタプリタ」のベースにksh88を想定したこと。これにより、シェルスクリプトの基本文法は、ksh88が基本となった。これPOSIXシェルということがある。Korn ShellがBourne Shellの後継であったため、POSIXシェルに準拠したシェルを「Bourne Shell」系などと総称することがある。厳密にいうとシェルスクリプトの文法は、ksh88か基本であり、オリジナルのBourne Shellとは異なる部分がある。

シェルスクリプトは、UNIX、Linux起動時の「初期化システム」などでサービスやデーモンの起動制御などに使われることから、ある種の互換性が必要になる。しかし、シェルスクリプトには、「シバン(shebang)」という仕組みがあり、スクリプトファイルの先頭でスクリプトの実行プログラム(インタプリタ)を指定できる。このシバンは、UNIX開発者の一人Dennis Ritchieによって考案され、Version 7、8UNIXで導入され、BSDにも搭載された。このため、シェルスクリプトのインタプリタとしてPOSIXシェル互換のインタプリタさえ用意できれば、コマンドラインプロセッサには、何を使ってもかまわない。

現在のハードウェア構成なら、シェル程度のプログラムならいくつインストールしてもシステムを圧迫することもない。また、多くのLinuxディストリビューションは、著名なシェルはたいたいパッケージが用意されている。利用者が各シェルの初期化ファイルで混乱しなければ、ログインシェルでさえ好きな物に切り替えることができる。高機能なものを使うのもよし、あえてシンプルなシェルを使うことだってできる。シェルが使い放題、良い時代になったものである。

今回のタイトルネタは、ロバート・ラドラムの「暗殺者」(新潮文庫。原題The Bourne Identity)である。主人公であるジェイソン・ボーンの姓は、偶然であるがBourne Shellの作者と同じ綴りである。2002年にマット・デイモン主演で映画化され興行成績も悪くなかったので、ごらんになった方もいるだろう。ただ、映画と原作は別物、原作で面白さを味わうべき作品の1つ。
(塩田紳二)



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