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米連邦取引委員会がサブスクリプションにワンクリック解約を義務付けるルール決定、その背景を解説

マイナビニュース / 2024年10月18日 13時4分

解約方法については、少なくとも登録するのと同じくらい簡単に解約できることを目安とし、例として「オンラインで登録できるなら、同じサイトで同じステップ数で解約できなくてはならない」とした。また、「追加オファーを行う際に新たな承諾を得る」というのは、解約しようとする消費者に対して「こういった追加オファーがあります」「契約を継続しませんか」という提案をする際に、その承諾を義務付けるもの。さまざまな提案・確認をして手続きを長引かせることで解約・キャンセルを断念させるような手法への対策となる。自動更新前のリマインドは、物理的な商品の販売以外に求められるもので、ユーザーが気づかずに自動更新されることを防ぐのが狙いだ。

この見直し提案のあと、消費者や政府機関、消費者団体、業界団体から16,000件を超えるコメントが寄せられていた。業界団体からはワンクリック解約の義務化に反発する声も多かったようだ。こういった動きを経たうえで、今回の最終内容決定となったわけだ。
○当初案から一部条項を削除して最終案に

新ルールは2023年に提案された見直し案がそのまま採用されたわけではない。大きな変更点として、次の2点がある。

解約希望者に追加オファーを行う際の新たな承諾を義務付ける条項を削除
自動更新前に毎年リマインド・確認を行うという条項を削除

結果として最終案の主な内容は、ネガティブオプションに該当する形態での商品販売・サービス提供にあたり、以下のような行為を禁止するものとなった。

契約に際し重要な事実を偽って伝えること
消費者への請求情報を取得する前に、重要な条件を明確かつ目立つように開示しないこと
請求する前に消費者の理解のうえでの同意を明示的に得ないこと
契約を解約し、支払いを停止する簡単な手段を提供しないこと

最終案にあたって2つの条項が削除されたのは、いずれも消費者保護の観点からは一歩後退といえるが、FTCからの発表ではこの変更の理由について言及されていない。ただし、委員のひとりはFTCとの発表とは別に公表された声明の中で、後者について「政策として価値がないからではなく、FTCの権限を超えるとして同意しないコメントが多かった」という理由を語っている。また別の委員は同じく声明でこの規則制定自体がFTCの権限を超えると批判しており、議会ではなく連邦政府機関が立法に近い規則制定を行うことへの抵抗感が小さくなかったことをうかがわせる。このあたりは日本とは規制のありかたが少し違うところだ。

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