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知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第179回 中国で復活を果たしたファーウェイ、3つ折りスマホに見る日本市場復活の可能性

マイナビニュース / 2024年10月18日 16時58分

もちろん3つ折りにした状態ではそれなりの厚さにはなるのだが、それでも12.8mmと、2つ折りタイプのスマートフォンと大きな差はない厚さだ。重量も約298gと300gを切っており、驚異的なサイズ感を実現していることが分かる。

またMate XTは3つ折りにできることもあって、2つ折りタイプのスマートフォンよりも柔軟な使い方が可能となっている。1つの面を内折りにすることでキーボードとして活用できるほか、外折りすればスタンドとして活用することも可能だ。もちろん1つの面を完全に折りたたんで2つ折りタイプのスマートフォンと同じ使い方もでき、柔軟性が非常に高いことは間違いない。
依然エコシステムが海外再進出の壁に

ファーウェイ・テクノロジーズは米国から制裁を受ける前から、サムスン電子と同様折り畳みスマートフォンの開発に積極的に取り組んでいたメーカーの1つだった。制裁の影響からか日本で発売されることはなかったが、2019年にはディスプレイが前面に位置する外折りタイプの2つ折りスマートフォン「HUAWEI Mate X」を発売しており、以降継続的に折り畳みスマートフォンを投入している。

そしてそれから5年後の現在、3つ折りタイプのMate XTを発売していることを考えると、制裁を受けてもなお、ファーウェイ・テクノロジーズの技術開発力が健在である様子がうかがえる。とりわけ3つ折りの構造を実現するには、2つ折りスマートフォンで一般的な内折りだけでなく、外折りに関する技術も欠かせなくなるだけに、HUAWEI Mate Xから培ってきた技術を継続して生かせている様子を見て取ることができよう。

ただその一方で、やはり超えることができないと感じてしまうのはプラットフォームの壁だ。Mate XTをはじめ中国で販売されている製品にはHarmonyOSとAppGalleryが搭載されており、中国内で以前より築いてきたファーウェイ・テクノロジーズ独自のエコシステムが有効に機能して販売拡大につながっていることが分かる。

だが一方で、中国外の多くの国ではアップルのiOS、そしてグーグルのAndroidとその上で提供されているGMSによって構築されたエコシステムが主流だ。そうしたことからファーウェイ・テクノロジーズも、海外で販売するスマートフォンにはHarmonyOSではなく、従来のAndroidをベースに独自のインターフェースを取り入れた「EMUI」を採用している。

だが米国の制裁の影響からGSMを採用できないので、アプリストアに「Google Play」ではなくAppGalleryを使う必要がある点が、世界展開する上での障壁となっていることは確かだろう。もちろんファーウェイ・テクノロジーズ側もAppGalleryの世界展開を強化しているだろうが、既にGMSを軸として確立された環境を超える規模には至っていない。

そしてファーウェイ・テクノロジーズがその独自性と優位性をフルに発揮するには、海外展開するモデルにもHarmonyOSを乗せていく必要がある。だがそれにはHarmonyOSをベースとしたプラットフォームで、多くの国の顧客を満足させることも同時に求められることになる。そうしたことを考えると、日本をはじめとした多くの国において、ファーウェイ・テクノロジーズがスマートフォンで復活するというのはまだ厳しいというのが正直な所ではないだろうか。
(佐野正弘)



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