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宇宙創成は「トンネル仮説」が有力か? 宇宙の波動関数の第一原理計算から京大などが導出

マイナビニュース / 2024年10月18日 17時21分

今回の研究では特に、数理的な手法であるリサージェンス理論を適用することで、ローレンツ型経路積分に基づく量子宇宙の波動関数を再評価。物理的パラメータをストークス線外の領域にも拡張してローレンツ型経路積分を詳細に解析し、ストークス線に向かう極限を注意深く議論することにより、ローレンツ型経路積分における曖昧さの解消に成功したことから、無境界波動関数ではなく、トンネル波動関数が宇宙の波動関数としてより適切であることを厳密な形で示すことができたとする。

また、ストークス線に由来する曖昧さが、量子重力効果の摂動展開の総和を取る際に生じる曖昧さと正確に相殺されることも解明しており、これによりリサージェンス理論が量子宇宙論においても有効であることが確認されたともしており、今回の研究からローレンツ型量子宇宙論の枠組みにおける宇宙の波動関数をリサージェンス理論を用いて一貫して導出できることが示され、宇宙の波動関数を再評価する新たな方法が提案されたと研究チームでは説明している。

なお、研究チームでは、今回の研究成果については、無境界仮説とトンネル仮説の長年の論争の解決に向けた大きな一歩となることが期待されるとしているが、今回の研究にはいくつかの課題も存在するとしている。たとえば、量子宇宙創生における波動関数の導出が、特定の仮定に依存している点を挙げており、特に今回の研究では、単純化されたミニ超空間モデル(一様等方な宇宙)が主に扱われたが、現実的な解析を行うには、より複雑な宇宙モデルや設定においても同様の解析を行う必要があるとしている。
(波留久泉)



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