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エンタープライズIT新潮流 第36回 攻めのB to B営業のためのアカウントプランの立て方

マイナビニュース / 2024年10月21日 9時0分

それをもとに提案の仮説を作成します。筆者が最近読んだ書籍『成果に直結する「仮説提案営業」実践講座』(日本実業出版社 著者:城野えん)は、営業における仮説を立てる上でとても参考になります。

特に、Why×4W+2Hの考え方は参考になりました。4Wは「Who」「When」「Where」「What」の頭文字で、これらを掛け合わせて以下の質問で仮説を作っていくのです。2Hは「How」と「How much」です。

Why×Who:なぜこの会社は当社の製品が必要か?
Why×Where:なぜ今この会社は当社の製品の導入が必要か?
Why×When:他社のどこが当社や類似の製品を導入したか?
Why×What:なぜ当社の製品なのか?どのような価値が提供できるか?

余談ですが、筆者が富士通に最初に入社したころ、5W2Hを徹底的に叩き込まれた記憶があります。
リレーションシップマップを作成する

リレーションシップマップでは、単なる対象顧客の組織図ではなく自社とのリレーションシップを描きます。一般的には以下のような関係者がいます。
・決裁権限者:製品導入の際の最終の承認者
・チャンピオン:自社に代わって顧客社内で売り込んでくれる人
・コーチ:決済の権限はないが社内事情を教えてくれるおしゃべりな人
・抵抗者:いわゆる敵になる人
・情報収集者:指示されて情報を集めている人
・利用者 / エンドユーザー:実際に製品を利用する人

この中でも特にチャンピオンを探すことがとても大事です。セールスプロセスとはある意味でチャンピオンを探す旅です。チャンピオンは企業内の意思決定プロセスや組織の政治的な動きをよく理解しており、自社製品の強力な支持者となります。

筆者も過去に何度かチャンピオンを見てきましたが、面白い特性をもっていました。小難しい製品を導入する意欲の高い人なので、出世を熱望しているような、ちょっと変態チックな人が多かったように思えます。

意思決定プロセスの各ステップにおいて、それぞれの関係者がどういう役割を果たすかも理解する必要があります。決裁権限者は大事ですが、最初と最後しか登場しないことも多いですからね。

このように、該当アカウントについての営業戦略をチームで作成して、売上の最大化と次年度の成長のためのパイプラインを作成し、案件を成約させる下地を作ります。インターネットで検索すればアカウントプランのテンプレートを入手することが可能ですので、そこから始めるのがよいかと思います。筆者LinkedInアカウントでもテンプレートを公開しています。(https://www.linkedin.com/in/hiroyasu-kitagawa-71596311/)

北川裕康 キタガワヒロヤス 35年以上にわたりB to BのITビジネスに関わり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workday、Infor、IFS などのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションなどで執行役員などを歴任。現在は、独立して経営・マーケティングのコンサルティングサービスを提供しながら、AI insideの Chief Product Officer(CPO)を担当。大学は計算機科学を専攻して、富士通とDECにおいてソフトウェア技術者の経験もあり、ITにも精通している。前データサイエンティスト協会理事。マーケティング、テクノロジー、ビジネス戦略、人材育成に興味をもち、学習して、仕事で実践。書くことが1つの趣味で、連載や寄稿多数あり。 この著者の記事一覧はこちら
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