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チップレット - 相互接続で次世代システムを構築する技術革新 第1回 チップレットがもたらす半導体の付加価値向上

マイナビニュース / 2024年10月21日 11時28分

チップレットベースの設計は、過去数十年にわたり半導体業界を牽引してきたムーアの法則の減速に答えるものである。

集積回路上のコンポーネントを2年間で2倍増加させるために半導体デバイスメーカーはトランジスタの小型化を進め、1チップに搭載する方法を模索し、結果として大規模なモノリシックなSoC設計に行きついた。携帯電話はモノリシックな設計の成功の証であり、演算能力、ディスプレイ表示、無線通信、オーディオなどの多様な機能を100mm2ほどの1チップ上に統合している。ただし、さらなるプロセスのスケーリングは、パフォーマンス上の利点が最小限であるにもかかわらず、技術難度の高まりに伴い高価になってきている。そのため、大規模で複雑なSoCの各機能を小さなチップレットに分割し、それらをつなぎ合わせることでアプリケーションごとに適したシステムを構築するというアイデアが生まれた。

自動車業界は、自動運転、センサフュージョン、その他の電子機能用のチップレットなど、特定のコンポーネントで拡張された基本的な機能を備えた柔軟なアーキテクチャを提供するチップレットを採用するのに最適な候補となっている。

このモジュールアプローチにより、モノリシックSoCのアップグレードに伴う長期間を要するプロセスと比較して、チップレットの一部を交換または更新することで、より性能を高めた製品を市場に投入するまでの時間を短縮することができるようになる。また、特定車種やタイプ別に見た場合、自動車の販売量はスマホよりも少ないため、それらの車種ごとにモノリシックSoCを設計しようとすればエンジニアリングコストが高くという課題があるが、チップレットベースで共通化できるものを増やすことで、そのコストを低減することができるようになる。さらに、こうしたチップレットの柔軟性を活用することで、自動車メーカー各社は、それまでの自動車設計ですでに実証されたダイを使用することができるため、信頼性と安全性の要件を満たす期間を短縮することもできるようになる。

チップレット市場の拡大に伴い、これらのモジュール設計は、イメージセンサ、ディスプレイ、メモリ、量子コンピューティングなど、さらに多くのアプリケーション分野に登場することが期待されるようになっている。

本記事はimecが同社Webサイトならびに「3D InCites」に寄稿した記事「Chiplet Interconnect Technology: Piecing Together the Next Generation of Chips (Part I)」を翻訳・改編したものとなります

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