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カレー沢薫の時流漂流 第323回 NHKのワンクリック契約、我々うかつな日本人への警鐘かもしれない

マイナビニュース / 2024年10月28日 15時22分

私はデフォルトで大丈夫ではない顔をしているのか、健康診断の問診が「大丈夫ですか?」という、非常にプリミティブで核心をついた質問で始まったこともある。

確かに薬を買いに来ているのだから大丈夫ではない可能性もあるが、私の後に風邪薬を買いに来た客は特になにも言われていなかった。

店員的にもその場で死なれては困るのでそう聞かざるを得なかったのだと思うが、私が大丈夫だと答えたあとも、店員の心配は尋常ではなく「そうだ、いい栄養剤があるから試してみませんか」と言い始めた。

試供品的な物をくれるのだと思い、何も考えずに所望したところ、店員は空のカプセルと液体を持ってきて、その場で「作製」を始めたのである。

何か俺が考えていたのと違うなと思っているうちに、カプセルは完成し、今ここで飲めと白湯入り紙コップと共に渡されたため、もはや飲む以外の選択肢がなくなってしまっていた。

飲んだ後も何か買えと言ってくるわけではなく、異常に親切な店員、もしくは私の顔の大丈夫じゃなさが異常だっただけ、と思っていたのだが、冷静に考えるとクラブでパイセンのパイセンのお世話になった人に「これ楽しくなれるラムネ」と言われてMDMAをその場でキメてしまうのと何ら変わらないことをしていると気づいた。

まだ違法薬物なら良いが、ドラッグストア店員を装ったテロリストだったら私は今頃死んでいる。

実際に過去、そういう事件で人が死んでいるのだからその可能性はゼロではない。

そういう犯罪や事件が存在すると知っていても、無意識やその場の流れに乗じているうちにいつの間にか引っかかっているというのはよくあることなのかもしれない。

そんな人間の無意識と惰性につけこんだ詐欺というのももちろん数多く存在する。

私のようなインターネット野郎が最も惰性でやっていることと言えば、クリック、そしてタップである。

誇張ではなく、本当に1日1万回、感謝のクリック&タップを続けているのだが、一向に祈る時間は訪れない。

そのクリックスピードは当然画面表示速度を軽く凌駕しているのだが、それは画面を良く見ずにクリックしているということだ。
○そしてたどり着いたのは、NHKへの感謝の正拳突き

そういうスピードの向こう側に行ってしまった奴が引っかかりやすいのが「ワンクリック詐欺」である。

ワンクリック詐欺とは、その名の通り、クリックしたが最後「契約が成立された」ということにされ、多額の料金を請求される詐欺のことだ。

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