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受注1万台に到達! スズキの小型SUV「フロンクス」はコスパ良好?

マイナビニュース / 2024年11月1日 11時0分

日本で人気の小型SUV市場に遅れて登場した観のあるフロンクス。競合はいろいろと考えられる。軽自動車販売で競い合う関係のダイハツ工業には、167.7~237.79万円の「ロッキー」(兄弟車はトヨタ自動車「ライズ」、スバル「レックス」)がある。トヨタのヤリスクロスは255.1~315.6万円、ホンダ「WR-V」は209.88~248.93万円だ。輸入車で近いのは329.9万円からのフォルクスワーゲン「Tクロス」(T-Cross)だろう。

ロッキー/ライズ/レックスは車体全長がフロンクスと同じだが、車幅が1.7m以下なので5ナンバー車になる。上記の価格はオーディオレスの場合で、カーナビゲーションが必要であれば追加料金が掛かる。低価格帯はハイブリッド車ではなくエンジン車だ。

ヤリスクロス、WR-V、Tクロスなどは全長がフロンクスに比べやや長くなるが、車幅はほぼ同じ寸法だ。そのうえで、オーディオの設定はあってもカーナビゲーションは注文装備となる。一般に、純正ナビゲーションは20万円前後するのではないだろうか。

それに対し、フロンクスはスマートフォン連携メモリーナビゲーションを標準で装備する。近年の運転支援機能もフロンクスは標準で搭載している。

フロンクスはワングレードなので価格が高めに見えるかもしれないが、標準装備の内容を精査すれば十分に競争力のある価格であり、追加装備するものがなければ額面通りの費用で手に入れられる。

スズキには以前、「エスクード」というSUVがあった。歴史を振り返ると、クロスカントリー4輪駆動車(クロカン4駆)として一世を風靡した三菱自動車工業「パジェロ」と同じ時代を生きた小型4輪駆動車で、スズキのモノづくりの誠実さを伝える性能と品質で支持者を得ていた。そのエスクードに代わる存在となるのが、最新のクロスオーバーSUVであるフロンクスだ。発売から2週間あまりで月間販売目標の10倍を超えた受注台数は、価格と商品性の適正さを消費者が評価した数字といえるだろう。

御堀直嗣 みほりなおつぐ 1955年東京都出身。玉川大学工学部機械工学科を卒業後、「FL500」「FJ1600」などのレース参戦を経て、モータージャーナリストに。自動車の技術面から社会との関わりまで、幅広く執筆している。電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副代表を務める。著書に「スバル デザイン」「マツダスカイアクティブエンジンの開発」など。 この著者の記事一覧はこちら
(御堀直嗣)



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