1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

東奔西走キャッシュレス 第67回 インバウンドでもっと伸びる? 日本のキャッシュレス決済

マイナビニュース / 2024年11月1日 18時17分

外国人旅行者をターゲットに、関西国際空港や主要観光地の最寄り駅でクレジットカードのタッチ決済による乗車サービス「stera transit」に対応した南海電鉄。それを皮切りに、関西圏では着々とstera transitが勢力を拡大して、一部を除いて相互直通を含めた関西圏でのクレジットカード対応の交通ネットワークが実現しました。

南海電鉄では2023年度に、1カ月で3万件ほど、年間では35万件程度のタッチ決済利用があったそうですが、これは予想よりもかなり少ないとしています。

筆者についていえば、海外の空港に降り立ったら、即座に鉄道で移動できるクレジットカードのタッチ決済は積極的に利用しています。しかし、思ったよりもこれが伸び悩んでいるというのが南海電鉄の説明です。ラピートのような特急券を購入している場合もありますが、空港に降り立った外国人旅行者が鉄道に乗るために切符を購入するなど、窓口や券売機に並んでいるというパターンもあるようです。

10月23日にメルカリが発表したスポットワークサービス「メルカリ ハロ」の中小・小規模事業者向けの本格展開に関して、東京・浅草の浅草寺近辺にあるヴィーガンフルーツサンドの「浅草鳩家」で話を聞いたところ、そこでも「現金利用が多い」との声が聞かれました。

同店は外国人観光客の多い浅草寺から徒歩1~2分の好立地にあり、ヴィーガンという点からも利用客は外国人が多いそうです。実際、雨の中の取材でしたが、ひっきりなしに外国人が訪れており、それも欧米系の外国人が多いように見えましたが、店主はクレジットカードよりも現金利用が多いと回答していました。

関東ではまだ空港路線がクレジットカードのタッチ決済に非対応ですし、日本の鉄道の券売機は現金決済のみという場合も多いのが現状。もちろん、各種のチケットを交通機関も用意していますが、準備万端で日本に来て鉄道に乗る旅行客ばかりでないのは、空港線の券売機周辺を見ても明らかです。

街中でも小規模店舗やラーメン店などクレジットカード非対応の店がまだ多く、日本人でも現金が必要なシーンは多くあります。外国人旅行者が日本入国の前後で日本円に両替した場合、それを積極的に使うでしょう。そういった結果として、外国人旅行者のキャッシュレス利用が伸びていないという面はありそうです。

もちろん、ホテルや一定以上のランクのレストラン、高額商品の購入など、クレジットカードが使われるシーンも多いでしょうが、「外国人が多いけれど現金利用が多い」という店も多くあるようです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください