ディーン・フジオカ主演『モンテ・クリスト伯』は数ある“復讐劇”の中でなぜ「別格」なのか…一気見に最適な理由
マイナビニュース / 2024年11月6日 11時0分
主要キャストだけでも、ディーン・フジオカを筆頭に大倉忠義、山本美月、高杉真宙、葉山奨之、岸井ゆきの、桜井ユキ、三浦誠己、渋川清彦、新井浩文、田中泯、風吹ジュン、木下ほうか、山口紗弥加、伊武雅刀、稲森いずみ、高橋克典の17人が出演。これ以外でも、久保田悠来、尾上寛之、嶋田久作、高橋努、柳俊太郎、黒沢あすかなどの経験豊富なバイプレーヤーが出演した。
その人数に加えて若手からベテランに至る幅の広さもあり、放送当時に取材した太田大プロデューサーが「大河ドラマ級」と自負していたことを記憶している。この出演俳優たちが競い合うように感情むき出しの演技を見せたのだから、面白くなるのは当然かもしれない。
●「架空の続編」が書き込まれる熱狂
刑事部長、有名俳優、建設会社社長、料理研究家、世界的投資家ら、そうそうたる肩書きに登り詰めた人物が真海の復讐を受けていくのだが、物語はそれだけに留まらない。
禁断の不倫、マフィアの暗躍、両親殺害の過去、偽りの死産、生き埋めや毒殺など、怒涛の展開が連鎖していく。さらに、真海の協力者たちにも悲しい過去があり、感情移入を誘われるなど、最後まで飽きさせない生死と愛憎をめぐるジェットコースタードラマだった。
“ジェットコースタードラマ”と言えば90年代序盤に流行したジャンルで、上下動の激しい展開がノンストップで続き、目まぐるしく変わる人間模様で視聴者を引きつけていたが、最も有名なのは91年放送の『もう誰も愛さない』(フジ)だろう。同作が平成初期のジェットコースタードラマなら、『モンテ・クリスト伯』は平成最後のジェットコースタードラマと言っていいかもしれない。
とりわけ異例の1時間前倒し、かつ2時間スペシャルとして放送された最終回は圧巻だった。真海は復讐の総仕上げとして当事者を集め、「最後の晩餐会」を開くのだが、15年の年月をめぐるその内容は何とも哀しすぎるものだった。
ここで詳細は書かないが、プロポーズと「バンザイ」のむなしさ、そして復讐劇の締めくくり方。視聴者の批判を恐れてハッピーエンドを選ぶ作品ばかりの中、余白や余韻を残して解釈を投げかけるようなラストは圧巻だった。原作小説と同じ「待て、しかして希望せよ」というメッセージも含め、近年のドラマで最も印象的な最終回と言っていいかもしれない。
実際、多くの視聴者が解釈を共有するようにコメントを書き込むなど、ネット上には好意的な声が続出。翌週になっても「モンクリロス」「フジを見直した」などの称賛がやまなかった。
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