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吉川明日論の半導体放談 第318回 データセンター市場で着々と地盤を強化するAMD

マイナビニュース / 2024年11月6日 7時15分

画像提供:マイナビニュース

AMDの2024年第3四半期決算は予想されていた通りの好成績であった。特にデータセンター分野での売り上げは前年同期比で2倍以上(122%の増加)の成長を見せた。この結果、AMDはデータセンター半導体分野でIntelを追い抜き、AI用GPUで爆走するNVIDIAに次ぐ第2位のポジションを獲得した(AMDのデータセンター事業は35億4900万ドル、IntelのDCAIは約33億ドル)。今後のAMDの成長はNVIDIAにどれだけ迫れるかにかかってきた。
サーバーCPU/GPU市場で急成長し一強NVIDIAを追撃するAMD

データセンター市場はこの2年間でその景色が激変した。2年前の今頃まではデータセンター半導体市場ではCPUのトップシェアを掌握するIntelが最大のブランドだったが、生成AIの登場でGPUベースのアクセラレーターがデータセンターノードで急成長した結果、そのほぼ100%を供給するNVIDIAのデータセンターでの売り上げは、CPUをベースとしたIntelをあっさり抜き去り、全体シェアのトップに躍り出た。

今回のAMDの決算で注目されるのはデータセンターでの総売り上げが約35億ドルとなり、前年同期比で2倍以上の成長を見せた点だ。この中にはCPUとGPUが含まれるが、その割合は公開していない。CEOのLisa Suのコメントによれば「CPU/GPUともに売り上げが拡大した」模様である。特にNVIDIA製品に真っ向勝負を挑むInstinct MI300シリーズに対する需要がMeta、Google、Microsoft、Oracleなどの大手クラウドベンダーを中心に急増しているらしく、生産が需要に追い付いていないのではないか、という一部のアナリストの見方が出ているほどだ。サーバーCPUの売り上げだけで前年対比で2倍ということは考えにくいので、MI300シリーズの市場からの引きは本物であると考えられる。AMDは既に次世代製品MI325/350のロードマップを公開しており、これまでCUDAを中心とする開発ソフトウェア環境の強みで顧客を囲い込んできたNVIDIAへの対抗軸としては、ベンチャーを含む他のベンダーの中で抜き出た存在になった。 製品ロードマップを製造面で強力にバックアップするTSMCとの協業関係は良好で、現在建設進行中のTSMCのアリゾナ新工場の顧客となることを早々に発表した。

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