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吉川明日論の半導体放談 第318回 データセンター市場で着々と地盤を強化するAMD

マイナビニュース / 2024年11月6日 7時15分

半導体業界は現在でも企業合併などによる再編の兆しがあるが、二つの異なる文化/技術を持った企業が一つになる場合、1+1=2という等式以上の結果を導くには細心の注意が必要で、そのプロセス如何で結果を最大化することができるし、その逆も大いにある。

AMDとATiのケースは非常にうまくいった例ではないかと思う。その後AMDはCPU+GPUのヘテロ構造APUの先駆けとなったし、現在NVIDIAに対抗しうるGPUの技術資産もこの合併からもたらされた。

持続可能な成長が予想されるAI半導体市場

最近のNVIDIAの株価高騰の現実を目にして、米国の株式市場では「このAIブームは急速にしぼむのではないか?」という懸念が見られた。「クラウド大手各社が競うように高価なNVIDIA製品を買いあさる結果は、NVIDIAにしか利益をもたらさないのではないか?」、という疑問である。

AlphabetのCEO、スンダー・ビチャイは、果敢なAI分野への投資が過剰なのではないか、という質問に、「充分な投資をしなかった事により負うリスクは、過剰投資がもたらすリスクよりも遥かに大きい」、と明確に答えた。そんな状況で、先週クラウド大手各社の決算が発表されたが、各社とも増収増益でAIが次世代のサービスを支える基盤であることが判明した。

NVIDIA一強の状態にすぐに変化が現れる気配はない。設計上の不具合が指摘されたBlackwellもCEOのJensen Huangが明確に「問題は修正され第4四半期から本格出荷する」と宣言し、この市場分野での存在の強化を明確に宣言した。今後、AMDをはじめとする挑戦者がどれだけ市場に食い込めるかは大きな注目分野である。

吉川明日論 よしかわあすろん 1956年生まれ。いくつかの仕事を経た後、1986年AMD(Advanced Micro Devices)日本支社入社。マーケティング、営業の仕事を経験。AMDでの経験は24年。その後も半導体業界で勤務したが、2016年に還暦を機に引退を決意し、一線から退いた。 この著者の記事一覧はこちら
(吉川明日論)



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