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どんな人が『大腸がん』になるの? - 大腸がん最前線について、専門医師が解説した

マイナビニュース / 2024年11月6日 13時16分

画像提供:マイナビニュース

がん研究会 有明病院は10月30日、メディア向けに「大腸がんの予防と治療について~最新の治療をもとに~」と題するセミナーを開催。そのなかで、がん研有明病院 大腸外科 副部長の山口智弘氏は「40歳を超えたら、毎年、大腸がん検診を受けましょう。早期発見できれば、がんは内視鏡治療でも確実に治ります」と呼びかけた。なおセミナーでは、最新の手術支援ロボットを使用したデモも披露されている。

○■とても簡単な大腸がん検診

日本人の患う「がん」のなかでも患者数の多い「大腸がん」。近年では若年層の罹患率も増えており、早期発見・早期治療が強く推奨される疾患の1つとなっている。山口医師は「2人に1人が、がんになる時代です。大腸がんの罹患数と死亡数は、40年前と比べると約7倍にも増えています」と警鐘を鳴らす。ただその治療法については、近年、より患者の身体に負担がかからない”低侵襲治療”が標準化されつつあるそうだ。

気になるのは、若年性大腸がんが増えていること。米国では55歳未満の患者の割合は1995年には11%だったものの、2019年には20%まで増加している。すでに進行した状態で見つかることも多いとのことで、その背景について山口医師は「定期的に検診に行っていない、若くても大腸がんになると認識されていない、症状が過小評価されている、などの理由が考えられます」と指摘する。

大腸がんは、ほかの臓器に「転移」するほか、腸の壁に「浸潤」(深く入り込む)していく。がんが大腸の粘膜に留まるステージ0で早期発見できれば根治もできるが、ステージ2では「5年生存率」が約90%となり、ステージ3では約80%まで下がる。では大腸がんを患ったとき、どんな症状が出るのか?血便、排便習慣の変化(便秘、下痢)、便が細くなる、残便感、貧血、腹痛、嘔吐などが挙げられるが、早期がんではほとんど症状が出ないというから厄介だ。山口医師は「そのため定期的ながん検診が重要です」と繰り返し強調する。

大腸がん検診と言えば、便の表面をまんべんなくこすりとって、がんの出血を調べる便潜血反応検査が一般的。「1年前に便潜血反応検査を受けた人は、受けなかった人と比べて大腸がんの死亡リスクが70%も低下したというデータがあります。とても簡単な検査ですので、40歳以上の方は1年に1回、必ず便潜血反応検査を受けたほうが良いです」(山口医師)。

とはいえ便潜血反応検査も万全ではない。気になる人には、がんを確実に診断できる大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を勧めている。ポリープ(腺腫)を切除することで大腸がんの罹患率を80%低下させ、大腸がんの死亡率を53%低下させる。

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