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どんな人が『大腸がん』になるの? - 大腸がん最前線について、専門医師が解説した

マイナビニュース / 2024年11月6日 13時16分

○■日本人のためのがん予防法とは?

では、どんな人が大腸がんになりやすいのか? 山口医師は「症状が出ている人、家族で罹患者がいる人、環境要因がある人(詳細は後述)、50歳以上の人は要注意です」と説明する。特に、大腸がん患者の約30%は家族集積性または遺伝的素因ありとのことで「一親等に大腸がん患者さんがおられる人は、がんのリスクが2倍~3倍に上がると言われています」と話す。

環境要因としては、喫煙、感染、飲酒、塩分、肥満、運動不足、野菜・果物摂取不足を挙げる。ただ喫煙以外はいずれも程度の問題があり、常識の範囲内であれば問題はないという。これらを踏まえたうえで、次の5つの健康習慣を実践することで、がんのリスクはほぼ半減すると説明。それは、禁煙する、食生活を見直す、適正体重を維持する、身体を動かす、節酒する、ということ。なお最近ではピロリ菌などの感染もがんの遠因になることが言われており、山口医師は「感染症の検査を受ける」を追加した”日本人のためのがん予防法(5+1)”を紹介する。

○■どんな方法で手術する?

がんの切除手術は、開腹、腹腔鏡、ロボットの3つの方法で行われている。このうち開腹手術は、手で触れることができるメリットがあるが、処置する箇所が奥深くになると見づらく、また創が大きくて患者が痛む、そして腸閉塞を起こす危険性もある。一方で腹腔鏡手術は、創が小さくて済むので痛みも少なく、出血も少なく、回復が早い。ただ先端の曲がらない手術器具を使うために技術の習得には相応の時間がかかり、ベテランの医師でも手ブレしやすい、などのデメリットも存在する。

この欠点をカバーしたのが、ロボット手術となる。医師はサージョンコンソールと呼ばれるコントロールブースに座り、3Dフルハイビジョンで映し出される患部の映像を見ながら、先端が自由に曲がる鉗子を手ブレせずに遠隔操作できるという。

山口医師は、海外でもロボット手術の導入が進んでいると説明。「患者の身体への負担が少ないだけでなく、性機能障害、合併症などが起こる割合も下げられたとの報告があります」と話す。デメリットとしては、手術時間が長くなる、コストが高くなる、といったことがあるようだ。ここで実際に、手術のデモが行われた。

最後に、山口医師は「がん研究会では、がんの克服をもって人類の福祉に貢献する、を基本理念に掲げています。がんにより命を落とす患者さんを1人でも減らしたい、と日々の診療の中で強く感じています」と話した。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
(近藤謙太郎)



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