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2027年問題、SAP S/4HANAやクラウド移行を見据えてどう対応すべきか

マイナビニュース / 2024年11月11日 13時9分

デジタル変革プロジェクトには多額のコストがかかる。その中でも、プロジェクト全体の約30%の労力がかかるといわれるテストの最適化や効率化はコスト削減に貢献する。

手動テストは時間と労力がかかり、特にIT人材不足が喫緊の課題となっている日本では、貴重なIT人材の効率的な活用が求められている。テスト自動化の実装により、手動テストよりも迅速かつ効果的にテストを実行できるため、テスト期間の短縮によりコストを抑えることができる。

また、一度作成したテスト自動化は何度でも実行できるため、プロジェクト中だけでなく、その後のアップデート対応など、長期的に利用するほどに時間と労力を大幅に削減しコストメリットの可能性が高くなる。初期導入コストやメンテナンスコストを抑え、高い投資対効果を出すために、従来のスクリプトベースではなくノーコードのモデルベースを採用したツールや、AIを活用しシステムが変わった場合にも、テストケースを自動的に更新する機能を持ったツールも登場してきている。
テスト自動化において考慮すべき点

最後に、テスト自動化に関するその他の考慮点について言及したい。データに基づく判断がビジネスの雌雄を決する今日においては、データ移行後やシステム変更時のデータの整合性は非常に重要だ。日々増え続けるデータの整合性を確認するテストも自動化されていることが望ましい。

また、ビジネスが成長し、ユーザー数や取引数が増加しても、システムは高いパフォーマンスレベルを維持する必要がある。応答時間の遅延などのパフォーマンス問題は、顧客満足度やシステム運用に悪影響を及ぼす可能性がある。パフォーマンスとスケーラビリティの問題を事前に検知するために、パフォーマンステストも自動化して継続的に実行する必要がある。

最後に、基幹システムに関連するプロジェクトは前述のように複雑かつ多岐のシステムにまたがるため、専門的な知識が必要とされる。テスト自動化ツールは、SAP S/4HANA用に設計され、十分な技術検証が完了したもの、かつ複数のシステムにて汎用的に利用できるものを選定することをお勧めする。

2027年を目前に控えたSAP S/4HANA移行、クラウド移行をはじめとする企業のモダナイゼーションは、デジタルトランスフォーメーションにおいて不可欠である。ソフトウェアテストのリリースサイクルが加速していく中で、テスト自動化は、移行やアップデートのリスクを軽減し、スピードと品質の両立を実現するためのカギとなる。

テスト自動化は、技術的手法ではなく、企業の競争力を維持し、ビジネスの成長を続けるための重要な戦略的投資といえるだろう。SAPのプロジェクトや運用保守に、ソフトウェアテスト自動化の導入をぜひ検討してほしい。

○成塚 歩(なりづか あゆむ) Tricentis Japan合同会社 代表執行役

慶應義塾大学卒業後、日本総合研究所に入社。2008年に日本マイクロソフトに転職。以後12年間にわたり、エンタープライズ向けにビジネスを展開。2020年、Apptio株式会社に入社し、代表取締役社長に就任。2024年、Tricentis Japan 合同会社に入社し、代表執行役に就任。
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