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大企業でも広がる“市民開発” 急成長する「kintone」の今後の戦略とは? Cybozu Days 2024基調講演

マイナビニュース / 2024年11月8日 13時0分

ユーザーが自然言語で検索すると、複数のアプリ内のデータを横断的に検索し、生成AIが回答を生成する。例えば、「製造業の企業にSFA(営業支援システム)の提案をします。参考になる過去の案件とその概要を教えてください」と質問すれば、AIがkintone上にある複数のアプリの情報を参照し、情報元となるアプリ情報とともに答えてくれる。

検索結果にはアクセス権が反映され、権限のないユーザーには公開されない。ユーザーは大量かつ多様な情報の中から知りたい情報を素早く探せるほか、これまで蓄積した案件情報や問い合わせ対応履歴といった情報を有効活用できるようになる。

基調講演に登壇したサイボウズ マーケティング本部 マーケティング戦略部 副部長の山田明日香氏は「情報検索の効率化によってデータ活用が促進する。これにより、データをさらに登録する動機が生まれ、好循環が進む。kintoneと生成AIを組み合わせることで、企業のデータ活用を支援していきたい」と語った。

また、同β版では、AI機能の作成のほか、作成したAI機能の設定を柔軟に変更することも可能だ。管理画面から、回答の精度を調整する「システムプロンプト」や、何を質問すれば分からないユーザー向けに「定型プロンプト」を事前に設定することができる。

「『こういう入力ができる』と例を示すことで、入力の手間を省くことにもつながる。誰もが気軽に、そして安全に利用できるAIを提供し、AIの民主化を後押ししていきたい」(山田氏)

同社は今後も、kintoneに組み合わせるAIの開発を進めていく。現在、優先するべき通知をAIが分析する機能や、チャット形式による情報検索機能など、さまざまなテーマで研究開発を進めているとのことだ。

「kintoneはITの知識がない人でも業務アプリを簡単に作ることができる。AI活用に関しても、シュッシュッとできるような環境を整えていく。5年先や10年先のことを考えると、AIを活用しないという選択肢はない。ノーコードとAIで、さらに現場主体でアプリ開発ができるようにしていきたい」(山田氏)
大企業でも広がるkintone活用、専用機能を続々投入

kintoneといえば“中小・中堅企業向けのノーコード開発ツール”というイメージが強いかもしれない。実際、毎月650社が新たにkintoneを導入しているが、そのうち約9割が中小・中堅企業だ。一方で、大企業でもkintoneの活用は広がっている。先述した通り、東証プライム企業約4000社のうち3社に1社が導入している状況で、kintoneを全社プラットフォームとして活用する大企業が増えている。

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