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未来のAIコンピュート・プラットフォームの実現に必要なものとは? Arm Tech Symposia 2024

マイナビニュース / 2024年11月8日 17時44分

次いでエコシステムの話になる訳だが、ここではVachani氏の担当分野ということで「SOAFEE」の話になる。SOAFEEは2021年にスタートした取り組みであるが、そこからの3年で大きな進捗を上げている事をアピール(Photo08)した。

同日にアナウンスされた、PAS(Panasonic Automotive Systems)との戦略的パートナーシップも、この一環と言える。

基調講演の最後では本田技術研究所(ホンダ)の小川厚氏との対談も行われ(Photo09)、SDVの実現のカギとなるのがソフトウェアであるのは当然であるが、そのソフトウェアをどんなプラットフォームで動かすのか、あるいはどうハードウェアとソフトウェアを協調させてゆくのかという事を含めて自動車会社がソフトウェアを開発してゆくことはチャレンジであり、その際にArmのCSS for Autoが助けになる事を小川氏は強調した。

今回はAIを散りばめながらも自動車向けの傾倒がやや目立つ内容であった。「車と言うのは要するにタイヤが付いたデータセンター」といった発言も出るなど、現在のArmが自動車のBody ECU向けからその先の自動運転やSDVを念頭に置いたプラットフォームに狙いを移す(というか、ターゲットの幅を広げる)戦略を取っており、その戦略の遂行にあたっては日本はその自動車会社の多さや存在感の高さから重要な位置づけにある、という意気込みを感じられるものであった。

ただ逆に言えば、現在の日本で重要視されているのは自動車向けのみ、という身も蓋も無い現状を反映したと言っても良いのかもしれない。救いがあるとすれば、基調講演の後で日本法人であるアームの横山社長が行ったパートナー対談セッションの中で、富士通の吉田利雄氏(Photo10)が「Monakaチップ」を示した事だろうか? こちらは2nmプロセスのCompute Dieが、5nmのCache Dieの上に積層され、それとやはり5nmのI/O Dieとつながるというチップレット構成のサーバー向けチップである。当然Armv9ベースのプロセッサであるわけで、自動車以外にもArmの先端IPを使った製品を開発している企業があるというアピールになった事で、辛うじて自動車向け一色というイメージから脱する事が出来た感はある。まぁ昨今の動向を考えれば、こうなってゆくのは致し方ないことなのかもしれない。
(大原雄介)



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