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2024年秋ドラマ23作、“視聴率無視”で採点「実話ベースの感動作」「定番“イヤミス”からの令和版アップデート」

マイナビニュース / 2024年11月12日 10時30分

画像提供:マイナビニュース

●熱いセリフが静かな感動を誘う
主要23作がそろった2024年秋ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、主要新作の初回放送をウォッチし、俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事(「2024年秋ドラマ」オススメ5作&傾向分析 “超安定路線”で際立つ「日曜の難しさ」とは) において2024年秋ドラマの主な傾向を【[1]超安定路線で際立つ日曜の難しさ [2]各局きっての演出家が魅せるこだわりの映像】の2つと解説。

おすすめドラマとして、『ライオンの隠れ家』(TBS 金曜22時)、『嘘解きレトリック』(フジ 月曜21時)、『放課後カルテ』(日テレ 土曜21時)、『宙わたる教室』(NHK総合 火曜22時)、『海に眠るダイヤモンド』(TBS 日曜21時)の5作を選んだ。

本記事では、それらを含む主要23作のレビューと、目安の採点(3点満点)を挙げていく。

『嘘解きレトリック』 月曜21時~ フジ

出演者:鈴鹿央士、松本穂香、味方良介ほか
寸評:最大の強みはフジが誇るレジェンドトリオの演出。事件モノならではの不穏さは抑えめで、主人公も昭和初期の街並みも愛らしく、時を超えた親しみやすさを感じさせられる。刑事ドラマが殺人ばかりに偏る中、嘘をベースにした当作の事件は多彩。助手の嘘を見抜く力をきっかけに、探偵の推理+ハッタリで解決していくテンポも上々で、徐々に一体感が育まれていく関係性が何とも微笑ましい。近年の月9では最も評判が良く、アンチが少ない作品ではないか。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

『モンスター』 月曜22時~ カンテレ・フジ

出演者:趣里、ジェシー、古田新太ほか
寸評:型破りな弁護士は定番だが脚本にひねりを利かせている。裁判では主人公の劣勢もしっかり描かれつつ最後に逆転し、さらに怖さや笑いなどをもたらすラストシーンは驚きと意外性十分。やはり脚本・橋部敦子×演出・三宅喜重とカンテレの相性はいいのか。実際のところ、モンスターは趣里演じる主人公ではなく、週替わりの事件関係者たち。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

『Qrosの女』 月曜23時6分~ テレ東

出演者:桐谷健太、影山拓也、田村保乃ほか
寸評:作品のテーマはゴシップ。芸能界と週刊誌業界が舞台の物語だけに、どこかで見たような現実を巧みにオーバーラップさせていく。ただ、個人の人生がエンタメとして消費されていく様子や芸能界の裏話にどこまで興味を持てるか。「キュロスの女」のエピソードをもっと盛り込んでミステリー&サスペンスを加速させたいところ。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】

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