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山田祥平のニュース羅針盤 第463回 個性が見えてきたそれぞれのAI、利用者はどう向き合うか?

マイナビニュース / 2024年11月12日 6時0分

「ドラマ『ライオンの隠れ家』について教えて」とプロンプトを入れると、三者ともに知ったかぶりの答えを返してくるのだが、それがすべて見事にでたらめなのだ。立て板に水のように、あまりにももっともらしく答えを出すのだが、間違いだということはすぐにわかる。そして、間違いであることを指摘すると、かなり丁寧にあやまってくるから腹もたたない。そこにも人格を感じたりもするわけだ。

こういう話題では、明らかに違うということが聞いた側にもすぐにわかる。だが、出てくる回答について、まるで知識がない場合、それを鵜呑みにしてしまう可能性はある。すごく危険だ。だからこそ、AIの回答は常に疑う必要がある。そこが従来の検索エンジンとは異なる点だ。検索エンジンがリストアップする結果は、少なくとも入力したキーワードが含まれる点で、ある程度は確からしい。

Geminiなら「Geminiは不正確な情報を表示することがあるため、生成された回答を再確認するようにしてください」、ChatGPTなら「ChatGPTの回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください」と注意書きがある。
○「検索のリテラシー」に警鐘。AIの答えにどう向き合うか

検索エンジンの時代、何かを調べるときに、キーワードに1単語しか入れず、さらにその検索結果の最上位項目だけを開いておしまいというやり方が批判されたことを思い出す。複数の単語を入力して検索し、その結果も、せめて上位5項目くらいは開いて眺めてみることが必要だともされた。それが検索という行為のリテラシーだった。

AIとのコミュニケーションでは、その「入れて開いておしまい」的な検索と同じことをやってしまいがちだ。AIは多くの場合、人間にあわせようとしてくれるので、言葉足らずな問いかけでも、なんとかそれに答えてくれようとする。それが危険をはらんでいる。

親切でやさしいAIの甘いささやきに無条件に身を委ねてはならない。必ず疑ってかかること。コンピューターリテラシーを語る上でそんなリスクを考えなければならない時代がくるとは思わなかった。電卓の計算結果がまちがっているのは、人間の入力ミスによるものだということが、AIとの対話の中では成立しない。

コンピューターの進化に対して、どう向かい合っていくかを、改めて考えなくてはなるまい。

著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。■個人ブログ:山田祥平の No Smart, No Life この著者の記事一覧はこちら
(山田祥平)



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