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「年収の壁」問題を整理してみる - 「103万円の壁」引き上げ、「106万円の壁」撤廃ってどういう意味?

マイナビニュース / 2024年11月12日 9時51分

社会保険の壁には「106万円の壁」もあります。これは、「週の労働時間が20時間以上」、「賃金月額が8.8万円(年106万円)以上」、「勤務先の従業員数が51人以上」などの要件に当てはまる場合に、社会保険の加入が義務付けられます。

「106万円の壁」は、パートやアルバイトなどの短時間労働者すべてに関係する、社会保険(厚生年金・健康保険)に入らなければならない年収の壁ですが、「130万円の壁」は会社員に扶養されている配偶者(第3号被保険者)などに限定される、扶養から外れる年収の壁です。そのため、扶養に入っていた者が130万円以上の収入を得ると、勤務先で社会保険制度に加入できない場合は、国民年金と国民健康保険に加入しなければなりません。この場合、保険料が折半となる厚生年金・健康保険と比べて、負担は重くなり、さらに年金が増えることもありません。
現行制度における「年収の壁」

今後「年収の壁」はどうなる?

政府、与党は、国民民主党の主張を踏まえ、「103万円の壁」を178万円まで引き上げる案を検討中です。これによって、手取り収入を増加させるほか、働き控えの解消によって人出不足を緩和させる狙いがあります。ただ、この壁を引き上げても、その下に「106万円の壁」「130万円の壁」という社会保険の壁があり、手取りの減少という点で、こちらの壁の方が影響は大きくなります。しかし、この壁についても、新しい動きがありました。

厚生労働省は、パートなど短時間労働者が厚生年金に加入する要件である年収106万円の賃金要件と、従業員50人以上の企業規模要件を撤廃する方向で調整に入りました。これによって週の労働時間が20時間以上あれば、年収や勤務先を問わず加入となるため、実質、130万円の壁もなくなり、「週20時間の壁」に取って代わることになるでしょう。
年収106万円の手取りを比較

年収106万円で、扶養でいる場合と社会保険に加入した場合の手取りを比較してみました。

社会保険に加入すると、税金は社会保険料控除があるため、扶養のままでいるよりも少なくなりますが、社会保険料(厚生年金保険・健康保険)の負担が大きいため、加入後は年間の手取りが 15万1,000円少なくなります。

仮に、103万円の非課税枠が178万円に引き上げられたとしても、社会保険に加入した場合は効果がないことがわかります。
手取り減少への支援策

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