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テレビ解説者・木村隆志のヨミトキ 第81回 「武道館ライブ」「訴訟取り下げ」…同日に報じられたとんねるず&ダウンタウンのニュースは何を暗示するのか

マイナビニュース / 2024年11月13日 6時0分

さらに東野はフジの『この世界は1ダフル』、ヒロミはフジの『ザ・共通テン!』にも起用。ニュース・情報番組ではあるがテレビ朝日も『有働Times』に有働由美子(55)を起用した。

しかもそのほとんどが前番組のMCから年齢層が上がっているため、「ベテラン回帰の起用方針」と言っても過言ではない。これまでテレ朝を除く民放主要3局がコア層(13~49歳、TBSは4~49歳)を最大のターゲットに番組制作してきたが、ここにきて50代以上の世代にもターゲットを拡大した。

特にTBSは「LTV4-59」(Leveraged Timeless Valueの略)という4歳~59歳の個人視聴率獲得を示す指標を設定し、ターゲットの上限をそれまでの49歳から10歳アップ。日テレもコア層のみに振り切る戦略から、高齢層を含む個人視聴率全体の両にらみに変更した。フジも家族などでの「共視聴ナンバーワンを目指す」というコア層の上限にこだわりすぎない戦略を打ち出している。

テレ朝はもともと高齢層を含む戦略だけに、「今秋で主要4局すべてがベテランを起用する背景ができた」と言っていいだろう。ターゲット層の上限が上がり、MCの年齢も上がったばかりの今、とんねるずやダウンタウンのリスタートに追い風が吹いていると言っていいのかもしれない。

ただ、すでに一時代を築いたレジェンドだからこそ「活躍の場はテレビではなくてもOK」という選択をしても驚きはなく、むしろ「動画配信サービスやYouTubeチャンネルなどのほうがいい」という選択もあり得るのだろう。彼らが活躍してきたのはテレビだが、いまだ視聴率獲得に縛られ、スポンサーの顔色をうかがい、表現の幅が狭くなった今、これまでの栄光に傷がつくリスクを負う必要性はない。

○テレビは2組にとってハイリスク

「レジェンドだからこそ、やりたいことを伸び伸びやったほうがいい」「見たい人からお金をもらって作るビジネスモデルのほうが余計な批判を受けずファンを喜ばせられる」――そんなネットコンテンツに比べてテレビは、すでに成功したレジェンドにとってあまりにハイリスク、ローリターンなビジネスモデルなのかもしれない。

実際、とんねるずの武道館ライブは会場収入が得られたほか、12月20日からFODで有料配信されるが、このような2段組みのビジネスはコアなファン層のみならず、ライトなファン層にも対応したもの。しかも2組のような知名度の高いレジェンドであるほど、その効果は大きくなっていく。

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