エンタープライズIT新潮流 第37回 B to B営業での企業ブランドの作り方
マイナビニュース / 2024年11月12日 12時51分
第29回でも紹介したように、ブランドの語源は、古代ケルト語の「brandor」や古ノルド語の「brander」に由来するといわれており、どちらも牛の焼印を意味します。要するに、他の牛と違う=差別化をするということから来ています。B to Bブランドは、大多数のB to B企業の中で顧客やパートナー、社員などのステークホルダーに心の焼印を押されて、他とは違った企業と認識されることです。ですから、差別化がポイントになります。
差別化とは、事業戦略と製品やサービスで他社とは違うコトやモノを作りだすことです。これって、実は、経営戦略そのものなのです。ブランド力が強い会社は経営面でも優れているはずです。よって、ブランドはマーケティングの仕事でもありますが、役員レベルで経営レベルの戦略に組み込むことが大事になります。また、ブランドを企業資産として管理するというブランドエクイティの考え方も経営戦略に近いです。
ここで、ちょっと難しい話をします。書籍『「価値」こそがすべて!―ハーバード・ビジネス・スクール教授の戦略講義』(東洋経済新報社 著者:フェリックス・オーバーフォルツァー・ジー)には、成長の戦略として、4つの要素とその関係性が記載されています。
この4つの要素の中で聞き慣れない用語が、「WTP」と「WTS」です。WTP(Willingness To Pay)は顧客が喜んで支払ってくれる金額です。実際の価格との差が顧客歓喜になります。「お値段以上」というやつですね。例えばApple製品はWTPが高いので、価格が高くてもそれ以上に満足している人が多いと思います。
WTS(Willingness To Sell)は、サプライヤーや社員が自分たちのリソースを喜んで売ってくれる価格です。これが報酬やコストより低ければ、満足度や余剰利益が増えるということです。ディズニーランドやスターバックスで働くスタッフの方はおそらく物凄く高給というわけではないと思うのですが、大好きな企業で働けるのでWTSが低いのではないでしょうか。
ブランド力とは、WTPとWTSの差になると思います。よって、ブランドが強いと価格とコストをコントロールできるので、儲かるということです。ブランドは成長の戦略になるということです。
製品開発の面では、ブランド、特にブランド連想を強化するように機能改善や新製品の開発の計画を立てる必要があります。それができないと、一貫性のない製品ポートフォリオになりかねないです。例えばFreeeのサービスは、見た目も含めてブランド戦略の元で開発されていると思います。
社員は重要なブランド触媒
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