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生命保険解約まで追い込まれた元・証券マンが挑んだ酒蔵建設! 「上川大雪」社長が語る"地方創生のカギ"とは

マイナビニュース / 2024年11月21日 18時3分

だが、これは塚原氏自身に信頼や魅力がないと成り立たない話。どうやったら信頼を集められるのだろう。人の"信頼を得るコツ"についても聞いてみた。

「人間関係って普通預金の残高と同じなんです。相手が喜ぶことをしてあげると残高が増え、頼み事をすると残高は減る。時間はかかりますけど、預金をしていれば自分がやりたいことがあるときに一気に下ろせる。でも、頼ることばっかりしてきた人は、結局何かやりたいときに手を貸してくれる人がいない。かっこよく言えばギアンドテイク、どこまでそれができるかですね」

さらにはこんな話も。

「うちの会社にも中途入社の社員が入ってきます。ただ、僕は円満退職してきた人しか採用しない。なぜかと言ったら、円満退職していない人は残高が少ないからです。退職するって体力のいることで、能力だと思っています。就職するより円満退職する方が、能力がいりますから。そのとき、キレイにやめられるっていうことは"能力と残高がある人"と考えています」
■産声をあげた「上川大雪」

自治体をはじめ、多くの財界人などを巻き込んだ結果、2017年についに上川大雪酒造が産声をあげ、試験醸造を開始した。そこで、塚原氏に初めて上川大雪の酒を口にしたときの感想を尋ねてみた。

「うれしかったんだと思いますけど、本当に何も実感がわかなかった。味わいとか、そういうこととは全く別で酒屋さんでこのお酒を誰かが買ってくれている場面を想像できなかったんです」

では、いつ実感がこみあげてきたのだろうか。

「(お酒を売り出して)何カ月か経ったときですかね。新聞などのメディアに出て、その情報を一般の読者の方々と同じように読んで、そのときおーっと思いました」

上川大雪が、試験醸造の一部を2017年にクラウドファンディングで出品すると、募金は受付開始1時間半で目標の100万円を突破。そればかりか、1カ月後の締め切りまでに、日本酒ジャンル至上最速のペースで1,300万円を超える額が集まったほか、視察団も年100組以上が来訪したという。

こうして上川町の盛り上げに成功した上川大雪は、メディアをはじめ、多くの人の関心を集めた。その後、2020年5月に帯広畜産大学内にできた蔵でも同様にクラウドファンディングを実施すると、約3,000万円の支援金が集まり酒類分野では過去最高額を記録。

そのわずか約1年半後の2021年11月にできた函館の蔵も同じくも注目を集め、初日100本限定の整理券がわずか6分で完売したほか、初回生産分の3,000本も即日完売という人気ぶりを博した。
■「知ってもらうこと」が地方創生に

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