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【年収の壁】「103万の壁」企業9割が見直し求める - 「労働時間を抑制させ人手不足も促進させている」などの声

マイナビニュース / 2024年11月19日 9時4分

画像提供:マイナビニュース

帝国データバンクは11月14日、103万円の壁の引き上げについての企業アンケートの結果を発表した。調査は2024年11月8日~12日、1,691社を対象にインターネットで行われた。

○「103万円の壁」賛成67.8%、反対3.9%

衆議院選挙で議席を伸ばした国民民主党は、手取りを増やす政策を訴え、なかでも年収「103万円の壁」を178万円に引き上げる案に、強い意欲を見せている。人手不足が深刻化するなか、年収の壁が引き上げられれば、パートタイマーなどの働き方が変わり働き控えの解消につながるほか、減税効果による実質賃金の増加なども期待でき、注目されている。

日本の社会全体にとって「103万円の壁」引き上げをどう考えるか尋ねたところ、引き上げに「賛成」が67.8%、「反対」は3.9%だった。他方、103万円の壁自体を「撤廃すべき」は21.9%だった。「賛成」と「撤廃すべき」を合わせた9割の企業が103万円の壁について見直しを求めている。

企業からは「103万円の壁を意識するパートの方が多く、引き上げれば働き控えが解消される」(飲食店)、「最低賃金の引き上げが加速するなか、制度の見直しは避けられない」(運輸・倉庫)、「減税効果により消費活動が活発化する」(不動産)と、働き控えの解消に一定の効果を果たすと考えるほか、減税効果によって手取り収入が増えることに期待する企業が多かった。

一方で、引き上げには賛成ながらも、「社会保険料の106万円・130万円の壁もあるので、所得税のみの見直しでは働き控えはそれほど変わらない」(情報サービス)と社会保険料も含めた制度見直しの必要性や、財源をどう確保するかについての声も聞かれた。

また、「撤廃すべき」と回答した企業からは「働いても税金を払うことが損になるとの世間の風潮を感じる。103万円の壁は制度が古く、撤廃し、働いたら金額に関わらず応分の税を徴収する文化が最も公平」(情報サービス)と、複雑な現行の制度刷新や公平性を求める声も聞かれた。
○企業からのコメント

企業から寄せられたコメントは下記の通り。

○引き上げに賛成

「最低賃金の増加に対し"年収の壁"がともなっておらず、労働時間をセーブして働く短時間労働者がおり、賃金が増加しても年収が増えない。"年収の壁"が労働時間を抑制させ、人手不足も促進させている一面がある」(専門サービス)

「パート・アルバイトの応募状況が厳しいなかで、"年収の壁"引き上げで現状の人員でも回転させることが可能となり、人手不足の問題が軽減されるのではないかと考える」(放送)

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