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海外モバイルトピックス 第422回 「スマホを退屈にするアプリ」を投入したハイネケンが考える新時代のコミュニケーションとは

マイナビニュース / 2024年11月15日 11時30分

一番有用と思われるアプリはカメラですが、こちらも工夫されています。一応写真が撮れるもののプレビューの画像は粗く、撮影された写真も低画質です。The Boring Modeは昔のケータイ風の画面デザインですが、カメラ性能もわざと昔風に落しているわけです。このカメラは逆に今ならエモいと感じる人もいることでしょう。

これらの機能を見てみると、The Boring Modeはスマートフォンに日々支配されている時間から逃れための、デジタルデトックスを考えたアプリのようにも見えます。とはいえ現代世界ではスマートフォンは無くてはならないもの。完全にデジタルとの決別を計るのならば、起動するとただビール瓶だけが表示されるようなミニマルな画面構造にするはずです。しかしThe Boring Modeはデジタルからの脱却や離脱を狙った製品ではありません。

実はハイネケンはThe Boring Modeより前に、その機能を組み込んだ「世界で一番退屈なケータイ」として、「The Boring Phone」を2024年4月にイタリア・ミラノで発表しています。The Boring Phoneは海外で販売されているノキアブランドのケータイのボディーを透明にし、さらにメニュー構成をカスタマイズしてThe Boring Modeのようにほぼ何もできなくした製品です。現時点では販売はされておらず、ハイネケンのイベントなどで配布などが行われているとのこと。

なおThe Boring Phoneは一般的なケータイなので、電話をかけられ、ショートメッセージも使えます。そのため単体で必要最小限のコミュニケーションを取ることができるのです。また本来カラー画面ですがThe Boring Mode同様にあえて緑と黒のモノクロ表示とし、カメラは写真を10枚しか保存できないなど性能を下げています。このミニマルなデザインや機能は海外のZ世代から大きな注目を集めているといいます。

ハイネケンはなぜThe Boring ModeアプリやThe Boring Phoneを開発したのでしょうか。ハイネケン・ジャパンのマーケティングディレクター、須田伸氏に話を伺ったところ、まずどちらの製品も「アンチ・テクノロジー」を目指したものはないとのこと。ハイネケンはむしろデジタルがもたらすコミュニケーションの進化に常に注目している企業だといいます。積極的にデジタル製品を活用する動きの中に、人と人とのつながりをどのように関係づけていくのか、それを考えアプリやケータイを開発したとのことです。

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