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NVIDIA AI Summit Japanパネルディスカッションレポート 第1回 ソブリンAI開発は核兵器と同じ?なぜソブリンAIが必要なのか

マイナビニュース / 2024年11月18日 9時0分

AIがどこからでも使える環境があり、それがある共通基盤の上に乗っているのであれば、それを全国で使えるようになるべきです。同時に、地域ごとの適用も考えなければいけません。例えばモノを運ぶという場面を想定します。同じ「モノを運ぶ」という目的でも、地域によって自動車やドローンや船など、手段はいくつか考えられます。日本全国でドローンを飛ばすのはさすがに無理があるかもしれませんが、その土地に適した手段を適切に選ぶことは可能です。そういう意味で、日本全国の津々浦々で同じサービスを受けられるようにしたいです。

青木氏:ITはこれまで世界を変えてきました。20~30年前のいわゆるインターネットバブルの時代に思い描いていた世界と、実際の現代社会では少し差があります。それは、当時、一部の頭の良い人たちだけがインターネットの未来を考えていたからだと思います。現在はマッチングアプリで結婚するカップルが当たり前になるなど、生活にインターネットが入り込んで手元に届くようになりました。

AIもおそらく同様になるでしょう。今私たちが想像している以上のことが将来に起こるはずで、しかも、それは現在の理想の姿とは少し違った、もう少し手元でAIを実感できるような世界だと思います。

井崎氏:渡辺さんとしては、AIによってどのような世界が作られる、あるいはこれから作っていきたいとお考えですか。

渡辺氏:一言で表すと「一人一人をエンパワーしたい」に尽きます。昔の絵描き職人は、絵の具を自分で作ってから絵を描き始めていました。現在は絵の具を購入すれば絵を描くことに集中できます。そして、以前は放送局や専用の設備を持つ企業だけが情報発信できていたところ、今では個人でもスマートフォンで気軽に動画を世界に配信できるようになりました。

AIによって実現できることの例として、例えば省庁の仕事の場面であれば、若手が会議の議事録を取って上司に確認してもらっていたものを、AIが代替できるようになります。1年目や2年目の若手でも政策のための本質的な議論に参加できるようになります。AIによって苦労していたことから解放され、クリエイティビティを発揮するという大切な変化です。教育であれば、一人一人の生徒の苦手分野だけをAIがピックアップしてフォローできるようになる、すなわち個人をエンパワーすることになります。それこそが組織をエンパワーし、ゆくゆくは国家をエンパワーすることにつながります。

井崎氏:AIによって仕事が無くなるという意見もありますが、そうではなくて、AIを使って仕事をする人がAIを使えない人の仕事を奪ってしまうということだと思います。AIによって個人の能力やケイパビリティが広がっていくようなイメージですね。
(熊谷知泰)



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