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カレー沢薫の時流漂流 第326回 誰がハロウィンをつぶしたのか、クリスマス前に振り返る

マイナビニュース / 2024年11月18日 16時26分

画像提供:マイナビニュース

今年は渋谷のハロウィンが大人しかったそうだ。

地方の民にとってはハロウィン自体が都市伝説みたいなものなので、今年はハロウィンが不況だったと言われても、「今年はスカイフィッシュが不漁だった」と言われているようなものであり、「そもそも存在しないのでは」としか思えない。

さらに東京住みの人間にハロウィンについて尋ねても、「あれは都会の祭」という返答が返って来る場合すらある。

東京ですら都会でないとすると、日本の99.42%は無人の荒野か野生動物の楽園ということである。
○渋谷って、メガテンに出てくる架空の街なのかと

日本でも10月になると店頭が黒・紫・黄土色に塗られたり、各社が一斉にかぼちゃ味の何かを発売したりする程度には広まりつつあるハロウィンだが、仮装イベントやパーティなど、本格的な催しているのはかなり局所的ということなのだろう。

その一つである「渋谷」が局所を越えた「特異点」と化し、街に甚大な被害をもたらす様が毎年報道されるようになってしまったため、もはやハロウィンは渋谷を破壊する祭であるという悪評の方が先に全国浸透してしまったと言える。

宮田のジャガー級に毎年なすすべなく燃やされていた渋谷もさすがに我慢できなくなったようで、去年あたりついに、公に「渋谷はハロウィン会場ではない」と衝撃の表明をすることとなる。

渋谷曰く「渋谷がハロウィンの街だと標榜したことはなく、何故か毎年勝手にコスプレイヤーが集まってくるガチ特異点になっているだけ」とのことだ。

これには「最初は渋谷区もハロウィンを扇動してた」という意見もあるが、定かではない。

だが、現在渋谷区がハロウィンに対しNOを示しているのだけは確かで、ハロウィン前の渋谷には「ノーモアハロウィン」というような終戦後感すら漂う看板が大きく掲げられていたという。

もはや渋谷にとってハロウィンは繰り返してはならない悲劇なのだ。

逆に言えば、これだけ徒党を組んで暴れれば、区ぐらいは動かせるということであり、デモ活動も無駄ではないと示した貴重な例とも言える。

私も今度インボイス的な制度が可決されそうになったら渋沢栄一コスでデモ参加してやろうかとも思うが、集団抗議活動には、全く関係ない周囲の人や環境に被害をあたえるというリスクもある。

実際、渋谷区がハロウィンに対し自主規制を求めたのも、いつか参加者の間で取り返しのつかない事故が起こる可能性があるというもあるが、ただ集まっただけでも、騒音やゴミで周囲住民や飲食店に多大な迷惑がかかっているという事実を重く受けたからである。

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