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電力クライシスに備えよ! 世界の潮流から読み解くデータセンターの今 第5回 日本のデータセンターでもSDGsを重視した取り組みを

マイナビニュース / 2024年11月21日 7時0分

では、もう少し具体的にデータセンターの中を見てみよう。地球環境に優しく地域社会のSDGsにも貢献しようとしているエフコムのデータセンター事業のコンセプトは、「災害に強い」「高い可用性」「自然環境にやさしい」の3つだという。これらを海外のデータセンターとも遜色のないレベルで実現するため、シュナイダーエレクトリックの製品が活用されている。

エフコムが2004年に会津若松にデータセンターを開設した当初は、一般的なUPS(無停電電源装置)を採用していた。しかし、事業を拡大していくに当たりUPS容量が不足。そこで、2014年に新たに福島データセンターを開設する際に、シュナイダーエレクトリックのUPSと他社の製品を比較した結果、必要な容量を必要な時に導入できる、モジュラー型UPS「Symmetra PX」の採用を決めた。

さらに、福島データセンターでは電力使用量や発熱量が膨大になることが予見された。そのため、施設全体の稼働状況をリアルタイムモニタリングで把握し、かつ検知したエラーについてアラートが発出できるなど、365日24時間安定した運用が可能になるように、オペレーション面を重視した構築が進められた。

福島データセンターはハイパースケールデータセンターと比べると小規模だが、ラックの配置密度が非常に高い施設になっている。データセンターは密度が高くなると、熱処理が難しくなる。そこで、空調に関しては、ラックの間に置くことで高い空調効率を可能にする水冷式空調機「InRow RC」を採用。高密度のデータセンターにおいても、高いエネルギー効率で運用できるインフラを実現した。さらに、物理監視ソリューションとして「NetBotz」のネットワークカメラを導入し、ラックへの物理的なアクセスを監視するとともに、「NetBotz」の温湿度センサーによって、センター内で発生する熱を365日24時間監視している。

ラック内の機器に電力を供給するPDU(パワーディストリビューションユニット)は、個々のコンセントでどのくらいの電力を使用しているのかを測ることができる「NetShelter Metered Rack PDUs」を導入。これらのシュナイダーエレクトリック製品が検知した全てのデータを、データセンターインフラストラクチャ管理(DCIM)ソフトウェアを活用して収集し、分析とモニタリングを行っている。

データセンターの全体最適を実現するDCIMによるシミュレーション

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