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佐野正弘のケータイ業界情報局 第140回 厳しい市況でもシャープが「AQUOS R9 Pro」でフラッグシップを継続する理由

マイナビニュース / 2024年11月26日 6時0分

画像提供:マイナビニュース

シャープは、2024年10月29日にスマートフォン新製品2機種を発表しましたが、大きな驚きを与えたのは、夏の新製品発表では投入が見送られた最上位のフラッグシップモデル「AQUOS R9 pro」の発売を明らかにしたことです。そこには市場環境の変化を受け、フラッグシップモデルのあり方自体が大きく変わったことが影響しているようです。

夏商戦に見送ったフラッグシップを秋冬商戦に投入

2024年5月8日に実施された新製品発表イベントで「AQUOS R9」と「AQUOS wish4」を発表した際、例年同時期に投入していた最上位のフラッグシップモデルを投入しないことを明らかにしたシャープ。同社は国内メーカーの中でも、フラッグシップモデルの開発に力を入れてきたメーカーの1つでもあっただけに、その判断が大きな衝撃を与えたことは確かです。

それゆえ2024年、シャープはフラッグシップモデルを投入しないものと見られていたのですが、同社は2024年10月29日のスマートフォン新製品発表イベントで、その見方を大きく覆す発表をしています。

シャープは例年この時期は、ミドルクラスの定番モデル「AQUOS sense」の新機種を投入しおり、今回のイベントでもその新機種「AQUOS sense9」を発表しています。ですがシャープは同時に、もう1つの新機種「AQUOS R9 pro」を発表したのです。こちらはその名前の通り、シャープのハイエンドスマートフォン「AQUOS R」シリーズの中でも、「pro」が付いた最上位のモデル。夏商戦で見送られたフラッグシップモデルが、秋冬商戦に向けて投入されることになったのです。

実際AQUOS R9 proは、フラッグシップにふさわしい非常に高い性能を備えています。同シリーズの特徴でもあるカメラに関しては、独ライカカメラが監修した、3眼のカメラで構成された「バリオ・ズミクロン」カメラシステムを搭載。標準カメラには1インチを超える大型のイメージセンサーを搭載する一方、大型のセンサーが弱みとしている接写にも対応する広角カメラ、そして光学2.8倍ズーム相当の望遠カメラを新たに備えることで、幅広いシーンで高画質の写真や動画を撮影しやすくなっています。

それに加えてチップセットには、米クアルコム製のハイエンド向けとなる「Snapdragon 8s Gen 3」を搭載するほか、ベイパーチャンバーの搭載でゲーミングなど高負荷時の放熱も強化するなど、非常に高い性能を備えています。また、デバイス上で処理するAI技術を活用した「電話アシスタント」機能を搭載、新たに留守番電話の要約や通話時のキーワードを自動的にメモする機能を実現するなど、昨今話題となっている生成AIのキャッチアップもしっかり進められているようです。

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