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JAXAとESA、将来の宇宙開発における大型協力に関する共同声明に署名

マイナビニュース / 2024年11月21日 17時12分

続いて両機関は、気候変動対策を支援するため、地球観測分野で引き続き緊密な協力を行うことにも合意。両機関は、世界で進行中および計画中の温室効果ガスモニタリングミッションの観測ギャップを埋めるために、人為的排出を施設から都市までの規模でモニタリングするための共同ミッションの可能性を探求することに合意したとする。

低軌道に関しては、IS以降後の低軌道の両機関のニーズおよび要求に合致しつつ、ISSの遺産を活用しながら、経済圏の拡大と科学的、社会的便益のさらなる創出に向けた共同活動を追求するための将来の低軌道活動に関する現在実施中の協議を継続するとした。

アルテミス計画に関しては、そのアーキテクチャ全体への貢献要素を考慮しながら、ESAの貨物着陸船「アルゴノート」やJAXAの有人与圧ローバなどを含む月探査分野におけるESAとJAXAの協力を検討するといい、月面での運用シナリオの開発を支援するため、ESAの施設「LUNA」を使用して月面を模擬した実証を共同で実施することは協力のよい候補となるとする。

また、今後さらに検討すべき可能性としては、月極域探査機(LUPEX)ミッションを含む将来計画で得られる知見を活用しつつ、新たな科学的発見および月面での有人探査に貢献することを目的に、日欧企業により商業的に提供される小型ローバを用いた機会を含め、複数のロボティックミッションの相乗効果を高めることも考えられるとしている。

そして、持続的な月探査を支援するためのシスルナ(地球-月間の宇宙空間)での共用インフラに貢献するために、NASAと緊密に連携しながら、ESAが産業界のパートナーと協力して進める「Moonlightイニシアチブ」を活用した、月における通信および測位能力の相互運用性の確保と実証に取り組むことにも継続するとした。

さらに、2030年代の火星への高精度の小型着陸ミッションを可能にする電気推進、大気圏突入・降下・着陸システムのような、両機関の能力を活用した火星協力ミッションの可能性に関する議論を進めるとする。

両機関は、ESAが主導するX線宇宙望遠鏡「New Athena」計画と、現在選定過程にあるESAの中型ミッション候補の火星の居住可能性と進化を目的とした「M-MATISSE」計画、および地球周辺のプラズマ環境の探査を目的とした「Plasma Observatory」計画を対象とした宇宙科学における継続的な協力活動を支援するとのこと。それに加え、巨大惑星の衛星を対象としたESAの科学プログラムにおける次期大型ミッションでの協力可能性およびJAXA主導の宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星「LiteBIRD」計画に向けて継続的な協議を支援するとした。

以上のような進展を踏まえ、両機関長は、これらの分野での協力を一層進めていくことに一致したとしている。
(波留久泉)



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