クルマのクイズ 第40回 乗用車の前はいろいろ作っていた? バス「ふじ号」を手掛けた国産車メーカーとは
マイナビニュース / 2024年11月27日 8時0分
その後、快適で多くの人を運べるモノコックバスが主流となりますが、時代の流れによるバスのニーズの変化や技術の進化もあり、フレームボディにシンプルな構造のボディを組み合わせたスケルトンバスへと切り替わっていきます。
簡単に、バスボディメーカーとしてのスバルの歴史にも触れておきましょう。1953年に富士重工業となった現スバルは、バスのボディメーカーとして大活躍し、ピークとなる1980年(昭和55年)には年間2,393台を製造していたそうです。輸出までしていたといいますから、その市場規模も決して小さくなかったことが伺えます。2003年まではバスボディを製造し、大型車メーカーに供給していましたが、需要の減少から同事業から撤退しました。
写真の「ふじ号」はスバルが保管している個体です。東京都交通局に納入され、都民の足として10年ほど活躍した車両だそうです。引退後にスバルが引き取り、今も保存を続けています。1996年(平成8年)には「産業考古学会産業遺産」に認定されました。スバルのバスボディ事業の歴史だけでなく、日本の産業の発展を伝える貴重な存在です。
現在の保管場所は群馬県太田市にあるスバル矢島工場内のスバルビジターセンターで、屋内に展示されています。同施設は矢島工場見学のための施設であり、工場見学に訪れた際にはふじ号と対面することができます。
モノコックボディの特徴である丸みを帯びたボディは愛嬌たっぷり。奥まった2分割のフロントガラスもユニークで、どこか飛行機を連想させるデザインでもあります。車内も綺麗に修復されており、新車当時の雰囲気を今に伝えています。
それでは、次回をお楽しみに!
大音安弘 おおとやすひろ 1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。主な活動媒体に『webCG』『ベストカーWEB』『オートカージャパン』『日経スタイル』『グーマガジン』『モーターファン.jp』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。 この著者の記事一覧はこちら
(大音安弘)
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