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基幹システムをkintoneで構築! 反対勢力には「洗脳アプリ」と「接待麻雀」- ワイドループの挑戦

マイナビニュース / 2024年11月22日 11時0分

2つ目の不思議は「出荷されない予約品」。ワイドループが抱える在庫のほとんどは中古品で現品限りだ。そのため、営業担当は販売確度の高い案件が入ると、他の担当者が売らないようにするために、在庫の仮押さえを行っていた。

「みんな、仮押さえしたことを忘れるんです。案件が集中したにもかかわらず、在庫が仮押さえされたまま放置されてしまう。倉庫のあちこちに未来永劫売れるはずのない商品があふれていました」(川咲さん)

そして、3つ目の不思議が「上書きされる過去」。商品の売れ行きが想定より鈍い場合、商品価格を値引きするのは一般的な話だ。しかし当時のシステムでは、商品マスターの販売価格を更新すると、過去の売上データまですべて新価格に更新されてしまっていたという。「これはさすがにベタにツッコミました。なんでやねん!どんなシステムやと」と川咲さんは苦笑い。

しかし、こうしたことは不具合のごく一部で、パッケージソフトにカスタマイズを重ねた結果、同様のバグともとれる不具合があちこちで起こっていたという。川咲さんは「毎年年度末になると、うちの社長と会計さんは性懲りもなく頭を悩ませていました。そうです。決算が合わないんです」と振り返り、「システムが起こすファンタジーワールドからいち早く出たい。 そういう思いでkintoneの導入提案を決意しました」と語った。
洗脳アプリでkintoneの好感度がUP

kintoneによる基幹システム入れ替えを決意した川咲さん。最初に立ちはだかった壁は「旧システムに慣れ親しんだ社員からの抵抗」だ。システムを入れ替えると、どこの会社でも見られるおなじみの風景だ。

王道の解決方法の1つは「忍耐強く対話を重ねること」だが、川咲さんは「対話には時間がかかる。もっと手っ取り早くできへんか。思想強めの私はよからぬことを思いつきました。そうや、社員を洗脳してしまおう。私は社員を洗脳するためのアプリを3つ作りました」と独自の解決方法を紹介した。

1つの目の洗脳アプリ。それは、最も非効率だった業務フローを改善するアプリ「入出荷管理」だ。販売と仕入れをひも付けて管理できるアプリを構築し、「社員に『kintoneってめっちゃ便利やん』という印象を刷り込んだ」(川咲さん)という。

2つ目の洗脳アプリは「業務日報」。自由記入できちんと書かなくてもOK。コメント機能も付けて、プライベートの内容でも記入していいラフな業務日報アプリだ。「月曜日の日報はみんな週末のプライベートのことを書きがちで、ほぼ日記でした。ですが、このアプリによって社員に『kintoneって初心者にめっちゃ優しいやん』という印象を刷り込みました」(川咲さん)

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