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山田祥平のニュース羅針盤 第465回 AIに仕事を任せ、浮いた時間は自分のために使いたい

マイナビニュース / 2024年11月26日 6時0分

画像提供:マイナビニュース

AIプラットフォームで知られるメタリアル社が、勤労感謝の日にあわせて、20~69歳の会社員を対象に「AIと労働時間に関する調査」を実施した(該当PDF)。

結果としては、回答者の約7割にAIに任せたい業務があって、その業務時間は1日あたり実に1.9時間あることが明らかになったという。1日8時間の勤務時間だとして、その4分の1に相当する2時間弱は人間である自分がやることもないなあと思っているということか。

普段の仕事でAIに任せられたらいいなと思う作業については、

1位「資料作成」(36.4%)
2位「資料作成のためのリサーチ」(25.2%)
3位「電話対応」「経費精算」(どちらも22.2%)

という結果だったという。

今どきの労働者は、「資料作成」「リサーチ」「電話対応」「経費精算」は人間がやることではないと思っているか、それとも人間よりAIがやったほうがいい結果が得られると思っている。

個人的に各企業のユーザーサポートでAIチャットサービスなどの対応が役にたったと思ったことは一度もないのだが、世間一般的にはそうでもないのだろうか。

○AIに任せたい「1.9時間」は自分のために使いたい

アンケートの回答では、時間や手間がかかる面倒な作業をAIに任せ、自身は別の作業に時間を当てたいという回答が多かったそうだ。

ところがAIによって仕事から解放されたらできた時間は、「趣味や遊び」「家族と過ごす時間」に使いたいという回答が多かったらしい。自分にしかできないであろう他の仕事の質を高めたいといった風にはならないところがおもしろい。

同社はAIに任せたい「1.9時間」を、一カ月あたりの20営業日、日本全国の平均時給 2,401円、日本全体の生産年齢人口(15~64歳)約7,509万人から算出すると、1年あたリ「約82兆円分」の人件費に相当するとしている。この人件費を別のことに使うのか、使うのをやめるのかで事業は大きく変わりそうだ。

興味深いのは、1.9時間という時間が客観的な値ではなく、今、その仕事をこなしている自分自身がそれをめんどうだとか、自分でなくてもできそうだとか、機械にやらせることができるじゃないかと主観として思っている作業であるということだ。

そして、それらをAIに任せられるとしたら、1日あたりこのくらいは時間を短縮できるんじゃないかという希望的観測の平均値になる。

アッという間に浸透したAIの利活用ではあるが、AIにいったい何ができるのか、そしてそのできることは十二分に人間の期待に応えられるものなのかというのは、まだはっきりとはわかっていない。

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