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緑内障とは? 具体的な症状と早期発見のヒント

マイナビニュース / 2024年12月2日 11時0分

なお、緑内障は「視野が欠ける病気」とされることが多いですが、視力に関する神経が障害された場合は、視力が低下します。また、緑内障の視野欠損は初期にはほとんど自覚がないケースも多く、発見や治療が遅れることがあります。

ちなみに、緑内障のうち、虹彩と角膜が接する眼房水の出口である隅角が狭くなるものが「閉塞隅角緑内障」、そうでないものが「開放隅角緑内障」です。症状にはどのような違いがあるのでしょうか。
○<閉塞隅角緑内障>

虹彩と水晶体の間が密着し、ふくらんだ虹彩のために隅角が狭くなって房水の排出ができなくなり、眼圧が高くなります。激しい眼の痛み、頭痛、眼の充血、視界がぼやける、視力が急速に落ちるといった急性の発作を繰り返す特徴があり、特に40歳以上の女性に多くみられます。

失明の危険性も高いため、発作が起きた場合は速やかに眼科を受診しましょう。
○<開放隅角緑内障>

開放隅角緑内障の場合、隅角は正常ですが、「上強膜静脈」へのフィルターである線維柱帯や、集合管が目詰まりを起こして循環が悪くなり、眼圧が上がります。高い眼圧が長年にわたって続きますが、初期の段階では自覚症状はありません。

緑内障が進行してはじめて、視野の部分的欠損などの症状に気づきます。健康診断などで早期発見し、視野の欠損に気づく前に治療をスタートさせることが大切です。
○■緑内障を早期発見するためには

緑内障は、失明の原因1位の病気ではありますが、ほとんどの方の場合、早期発見と適切な治療によって視野と視力を保つことができます。早期発見のためにはまず、職場や自治体等が行っている健康診断を受けましょう。眼底カメラで眼底写真を撮ってもらえば、緑内障の疑いがあるかどうか診断してもらえます。

また、「視力が落ちてメガネが合わなくなった」といった場合でも、眼科で眼底検査できることが多いので、ぜひ申し出てみましょう。

ただ、緑内障と診断されても、早期や中期の場合は自覚症状がないために、治療をやめてしまう人も多いようです。緑内障は治る病気ではありませんが、治療によって進行を遅らせ、一生涯にわたり視機能を維持することは可能です。

緑内障になると生涯通院することになりますが、多くの場合、治療のために仕事や生活を変える必要はありませんので、主治医の先生に無理のない治療方法や通院状況を相談し、緑内障と上手に付き合っていきましょう。点眼治療の場合は点眼を続け、定期検査を受け続けること。手術をした場合も、その後の定期検査を忘れないことが大切です。

最後に緑内障の予防法や早期発見の仕方に関して、眼科の専門医に聞いてみました。

緑内障の原因は、遺伝的素因によるものや薬剤性、他疾患から起こる続発性、先天性のものなど多岐にわたります。緑内障の発症を完全に予防することは困難です。ただ、緑内障になる前の段階として高眼圧症や前視野緑内障といった概念もあるため、その時期から経過観察や治療介入ができれば、発症を遅らせられる場合もあります。早期発見早期治療には毎年の健康診断が重要となります。眼圧測定、眼底撮影により異常を指摘された場合には、眼科を標榜している医療機関への受診をお願いいたします。

○水野 友広(みずの ともひろ)先生

一宮西病院 眼科/部長
資格:日本眼科学会 眼科専門医
(武藤貴子)



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