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カレー沢薫の時流漂流 第328回 治安が悪けりゃ警察も機能しない、民衆よ声をあげよ! 日本のフリマアプリの話です。

マイナビニュース / 2024年12月2日 16時36分

画像提供:マイナビニュース

今まで全く触れたこともない話題なのに、世間で何か大きなことが起こった途端、急にその件に一枚噛みだす者が続出するのはよくあることだ。

例としては、炎上したとたん「実は前からあいつはおかしいと思っていた」と言い出したり、訃報が出た途端、急にファンだったといって追悼ファンアートをアップしはじめる感じであり、身近なところで言うと漫画の連載打ち切りが発表されてから「読んでたのに」と言って姿を現すステルス読者などである。

これらの行為に対して、多勢にならないと自分の好き嫌いすら言えないのか、人の死を使って売名すな、などの厳しい意見もあるのだが、それ自体、人の死に乗じて「他人の訃報に急に乗っかる奴が嫌い」という己の好き嫌いの表明をしてしまっている合体技とも言える。

漫画家としては死ぬ前に応援してほしかったという気持ちはもちろんあるが、元はと言えば、死でしか注目を集められない、勢い余った高所系ユーチューバーみたいな作品しか描けなかった自分が悪いし、母親の股間から顔を出した時も誰もいなかったが、葬式も無人という寂しい人生よりは、「読んでいたのに」と急に知らない人が花を手向けに来てくれた方がよいし、むしろ救われる。

ただ、現実の葬式でこういう人が現れたら香典泥棒の可能性があるので気を付けてほしい。
○103万円の壁だってそうだったでしょ?

それに「機」に乗じるというのも大切なことである。

特に「意見」というのは、正しければ通るというわけではない。どれだけグッドアイデアでも「他に意見がなければ本日の会議はこれで終了いたします」の後で言い出すと賛同を得られづらくなるばかりか、今から帰れば相棒をリアタイできた勢から恨みを買う恐れすらある。

聞いてほしい意見ほど「空気」を読んでいう必要があるし、それを通そうと思えば「数」も重要になってくる。

多数派が正しいというわけではないが、選挙のように、数が多い方が勝ちな場合も多いし、単純に人数が多い方が声がでかくなる。

たまに一人で千人分の声を出すオタクが存在し「こいつが沼ってるジャンル、さぞかし人気なんだな」と思ったら、そいつ一人しかいなかったという怪現象も起こるが、基本的には声は人数が多い方がでかくなり、でかくなるほど無視が難しくなる。

逆に言えば、正当な訴えでも、たった一人の小声だと通らないばかりか、無視されてしまうことも多い。

そんなかつてモスキート音として黙殺された自分の声と同じ声が、クソデカボイスとして注目を集めていたら、便乗ではなく「加勢」として加わるしかないだろう。

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